日本将棋連盟の羽生善治会長(53)が10月28日に放送されたABEMAの『NewsBAR橋下』に出演。今月11日に行われた第71期王座戦五番勝負第4局で八冠制覇の大偉業を達成した藤井聡太竜王・名人(王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖、21)との共通点と違いについて語った。
羽生会長は、1996年1~2月に行われた第45期王将戦七番勝負で谷川浩司王将(当時)を4連勝で破り全七冠を制覇。平成を代表する天才として将棋界をけん引し続けた。以降もタイトル獲得を重ねて、現在の獲得数99期は歴代最多。現在は日本将棋連盟会長の重責をこなすとともに現役のトップ棋士としても日々戦いの場に身を置いている。
常に話題の絶えない将棋界だが、羽生九段の全冠制覇から27年が経った今月11日には、藤井竜王・名人が第71期王座戦五番勝負で永瀬拓矢前王座(31)に3勝1敗で奪取に成功し、8つとなったタイトルすべてを手中に収める大偉業を達成した。
平成・令和を代表する天才棋士の両名は、ともに中学生でプロ入りを果たしたほか数々の最年少記録更新、全冠制覇と共通点も多い。八冠王となった藤井竜王・名人と重なる部分やここは違うという点について、羽生会長は「世代や年代によって感覚は違う」と目に見えない部分での差異について語った。
羽生会長は「例えば言葉で話していても、世代が違えば言葉使いも違いますよね。意味は通じるけど、こういう言葉は使わないとか、こういう表現はしないとか。それと似たようなことが将棋でも起こっています」という。「ルールは同じでも自分はこういう発想はないとか、こういう手は好みだとか、そういうのが微妙に違うんですね。その違いを詰めていかないと、なかなか新しい人の感覚が取り入れられないんです。勉強してきた背景や知識の違いというところがあるんだと思います」と噛み砕いた表現で説明した。
お笑い界指折りの将棋ファンで、本番組の進行役を務めるサバンナの高橋茂雄は「藤井世代が持っている独特の感覚がある?」と追加質問。すると、羽生会長は「将棋ソフトを使って勉強してきていたりだとか、そういう影響は共通しているものとして間違いなくありますね」と答えていた。
また、世代間の違いは藤井世代と羽生世代だけでなく、羽生会長よりも上の世代ともあるといい「全く違うわけではないんですが、世代でちょっとずつ違いますね」と感覚の差異があることを語った。
(『NewsBAR橋下』より)