勝利の瞬間は、仲間の姿が目に浮かんだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」11月3日の第2試合はTEAM雷電・黒沢咲（連盟）がトップ。開幕から苦戦続きも、この試合ではしっかり高打点を決めるなど“セレブ”らしさが戻った。第1試合で本田朋広（連盟）がトップを決めており、チームは1日2勝で大きくポイントを伸ばした。
デイリーダブルを懸けて臨んだこの試合は起家からKADOKAWAサクラナイツ・渋川難波（協会）、BEAST Japanext・猿川真寿（連盟）、黒沢、セガサミーフェニックス・東城りお（連盟）の並びでスタート。黒沢は東1局、ライバルのテンパイをかいくぐり4000点のツモで先制。東3局は七対子・赤・ドラ2の1万2000点をトップ目猿川から“デバサイ”のロン。これでトップ目に立った。
その後、渋川にマクられるも、オーラスに大きなドラマが待っていた。タンヤオ・平和・赤・ドラの満貫を二・五万待ちでテンパイすると、黒沢はこれをダマテン。猿川、東城からロンでは裏ドラ条件となってしまうため、渋川からの直撃かツモを待つ。渋川もテンパイし、さらに親の東城がリーチ。ここで渋川が二万を掴み、黒沢がロン。8000点の直撃でトップ逆転となった。一礼を終えた後は、それまで固かった表情が少し緩むような様子も。これにファンは「お嬢かっけー！」「おめでとう！！」「アカン！！雷電優勝してまう！！」「いやっふーっ！」「雷電デイリーダブルおめでとうございます」と声援が多数寄せられた。
ホッとした表情で勝利者インタビューに登場した黒沢は「落ち込んでいた中で、たくさんの方に声をかけていただいた」と、まずファンへの感謝を述べた。さらに「トップを取った瞬間はチームメイトの顔が浮かんで、嬉しいという気持ちより、不思議な頭の中になっていました」と仲間への思いも口にして、言葉に詰まる場面もあった。
この日は萩原聖人（連盟）から差し入れもあった。「出番がない中で、たくさん高級ケーキを買って、駆けつけてくれて。本田さんからはトップを取る形でエールをもらって」と仲間それぞれのエピソードを語り、最後に瀬戸熊直樹（連盟）については「あちこちで『お嬢は心配していない』と言ってくれていて、信頼の表れかもしれないんですが、ちょっと心配してほしかった」と笑いを誘う一幕も。また「買ったら馬刺しを食べさせてくれるということで、今期初めての“ニンジン作戦”が出た」と、意外な作戦があった舞台裏も明かした。
最後に「ファンの方からは『勝たなくてもいいから、そこで打ってくれているだけで応援していて幸せだ』という言葉をたくさんかけていただいて、ちょっと吹っ切れた」とまたファンへ感謝の言葉を紡いだ黒沢。その顔は試合中とはまた違う、いつも優しい“セレブ”そのものだった。昨期大暴れの本田、そして実績十分の黒沢が揃って本領発揮となれば、初のファイナルシリーズ進出を果たした昨期同様の快進撃がみられそうだ。
【第2試合結果】
1着 TEAM雷電・黒沢咲（連盟）4万9400点／＋69.4
2着 KADOKAWAサクラナイツ・渋川難波（協会）4万1900点／＋21.9
3着 BEAST Japanext・猿川真寿（連盟）2万4900点／▲15.1
4着 セガサミーフェニックス・東城りお（連盟）－1万6200点／▲ 76.2
【11月3日終了時点での成績】
1位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋238.5（24/96）
2位 渋谷ABEMAS ＋201.0（26/96）
3位 U-NEXT Pirates ＋158.8（24/96）
4位 TEAM雷電 ＋109.0（26/96）
5位 KADOKAWAサクラナイツ ＋67.1（24/96）
6位 赤坂ドリブンズ ▲92.0（26/96）
7位 EX風林火山 ▲121.4（26/96）
8位 BEAST Japanext ▲167.8（24/96）
9位 セガサミーフェニックス ▲393.2（24/96）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
