「やった人だけが節税になる」 来年1月からの新NISA、家計に見合った投資法は 貧富の差拡大の懸念も? 若くなくても始めるべき?
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 来年1月から始まる新NISA。そもそもNISAとは、通常の投資で利益を得ると約20%の税金がかかるところ、NISA口座で投資した分の利益には税金がかからなくなる制度。「つみたてNISA」「一般NISA」に分かれているものを、今回の制度改正でより利用しやすくしようとしている。

【映像】新NISA「積立型」「成長型」の内容

 中でも目を引くのは、現行では制限があった非課税期間が無期限となり、非課税の投資枠が拡大される点。つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になり、年間の投資限度額が120万円から360万円に拡充される。さらに1人当たりの非課税保有額が最大1800万円に設定され、より柔軟な投資ができるようになるという。

 とはいえ、誰もが満額を投資できるわけではない。上がらない給料、物価高、増税や社会保険料の負担増など、先行きが不透明の中、新NISAは資産形成に最適なのか。『ABEMA Prime』で議論した。

■家計に見合った投資法は

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 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「日本で働いている人は、給料が増えないまま円安が進んでしまうと、ある程度外貨への投資をしない限り使えるお金は減ってしまう。余裕がある人に投資は必須だし、投資をするならNISAのほうが税金分得をする。あと新NISAの枠は別なので、(まだ始めていない人は)旧NISAに全額突っ込んだほうがいいと思う」との見方を示す。

 税理士の大河内薫氏は、「2019年に金融庁から“老後に2000万円が足りなくなる”という報告書が出た。それ以前から国に優遇制度はあったが、さすがに全て面倒を見きれないということで、“自助努力でなんとかしてくれ”という趣旨は確実にあると思う。非課税枠はNISAをやらなければ活用できないものなので、やった人だけが節税になる制度。なんとか勉強して、少しでも活用できるようになるのがいいと思う」と述べた。

 ここからはモデルケースごとに見ていく。

【20代独身会社員】
・手取り20万円/月(ボーナス60万円/年)
・家賃6万円、生活費8万円、光熱費1.5万円
・投資可能額4.5万円
・5年以内の結婚願望、子ども希望、共働き希望、30代でマイホーム購入意欲

 大河内氏は「投資は手段」だとして、目的がなければやる必要がないと話す。

「短期投資で利益を出すのは一般の方には難しいので、積立投資は15年ぐらいの長期目線で勝負をしていく。5年以内の結婚式の費用なら、投資で積み立てるのではなく貯金してほしい。30代でのマイホームが15年後の目標なら、増える可能性が上がるので投資でもいいと思う。また、教育資金や老後資金という目的であれば、この投資可能額を入れていってもいいだろう。貯金と投資のどちらを選んでいくかは、常に選ぶ必要がある」

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【50代会社員、妻と二人暮らしで子どもは成人・独立済み】
・夫の手取り35万円/月(ボーナス120万円/年)、妻のパート収入7万円/月
・持ち家のローン12万円(残り10年)、生活費13万円、通信・光熱費3万円、民間保険2万円
・投資可能金額12万円

 大河内氏は「これならけっこうな金額を貯金できる。投資可能額=貯金額にもなるのであれば、65歳まで15年、毎月貯金していたら2000万円になる」と指摘。「50代であれば今から始めてもまだいいと思う。60代あるいは70代の方は、おそらく今の貯金と資産になるはずだ。現状と、将来どれくらいお金が必要かという目的がある程度明確になっていないと、投資するにしろ貯金をするにしろ厳しいと思う」と述べる。

 ローンが残っている中での投資については、「住宅ローンの利率より投資の利回りのほうがいいかどうか。前者のほうが高いのであれば、先に返済するべきだと思う。投資の利回りについてだが、僕は長期勝負で、全世界やアメリカ全体にしか入れたいと思わないが、過去のデータでしか見られない。それを今後の経済成長と合わせてどう見るかになる」と説明した。

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 ひろゆき氏は「基本的に住宅ローンは借金だ。固定金利でアホみたいに安い金利なら計算上勝つ可能性もあるが、変動金利で0.1%が3%に上がったら、それを投資で出すなんて大変じゃないか。借金を負っていることで、転職や異動しなきゃいけない時にどこか引っかかったりする。なるべくない状態にするほうが人間は幸せなんじゃないか」と持論を展開。

 大河内氏は、「あえて貯金の話をしたが、僕だったらたぶん半々、あるいは返済もちょっと入れるかもしれない。インフレリスクは投資でカバーできる可能性はあるが、メリット・デメリットを見て少しずつやるのが本当はいいと思う」とした。

■貧富の二極化が進む?

 一方で、ひろゆき氏は新NISAで貧富の二極化が進むとXへのポストで指摘している。「100万円投資することができない人が9割いる一方で、投資できる人は海外に投資してどんどん増やしていく。来年新NISAが始まり、メディアが“NISAは得する”と言うと、おそらく海外投資になるだろう。そうすると円安が加速するので、生活が苦しい人はよりきつくなる」と意図を説明する。

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 新NISAには、投資対象が投資信託で最大金額120万円の「つみたて投資枠」と、投資対象が個別株も可能で最大金額240万円の「成長投資型」があるが、どう使い分けたらいいのか。

 大河内氏は「成長投資枠のほうが金額は多く、個別株もできる、1年で倍、などと聞くとそっちに行きたくなってしまうが、いったん手前で止めてあげる情報を正式に出すのは本当に重要だと思う」と注意を促す。

 ひろゆき氏は「つみたて投資枠はわりとアバンギャルドなファンドがなく、安全なものしか認められてない。その枠で買っておけと言う分には、変なリスクは負わないと思う」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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