郷原弁護士「政治資金のルールは全て議員立法。役人には手を出せない」 自民5派閥の“パー券不記載”に悪意は?“裏金疑惑”は騒ぎすぎ?
【映像】安倍派が最多 派閥の収入不記載額
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 この週末に行われたANN世論調査によると、岸田内閣の支持率は26.1%。またしても最低を更新する中、政権をさらに苦しめるのが“政治とカネ”の疑惑だ。

【映像】安倍派が最多 派閥の収入不記載額

 自民党の5つ派閥の政治団体が2021年までの4年間で、収支報告書に約4000万円を記載していなかった問題。政治資金規正法では、「政治資金パーティー」で20万円を超える支出をした個人や団体についての記載が義務付けられているが、それがなかったことで刑事告発され、東京地検特捜部が動いているのだ。これに野党からも批判が高まり、パーティー券をめぐる”裏金疑惑”が追及されることに。

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 こうした状況に「待った」をかけたのが、元検察官で弁護士の郷原信郎氏だ。「岸田政権、自民党の肩を持つ気は全くありませんが、今回の『政治資金パーティー』問題は、捜査の客観状況からは、少し『騒ぎ過ぎ』です」と投稿した。

 27日の『ABEMA Prime』では郷原氏をゲストに話を聞いた。

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 郷原氏は「現状はあくまで20万円以上のパーティー券について不記載だっただけで、トータルの収入が少なく記載されているのとは別の問題。『A議員、B議員、C議員がバラバラに売ったから、トータルで20万円を超えていないと思ってました。うっかりミスでした』という弁解は可能かもしれない。一方で、パーティーのシステム自体、裏金を作りやすい。私も裏金疑惑はあると思っているが、捜査ではまだ何もたどり着いていないので、騒ぎ過ぎだということを言いたい」と説明。

 「私も20年前、長崎地検の次席検事の時に取り組んだ事件で、数千万円の裏金を解明した。しかし、捜索したり、資料を収集してようやくわかる話で、担当者を呼んで『裏金作ってますか?』『参りました。作ってます』というような簡単な話ではないことを強調したい。検察には頑張ってもらいたいが、あまり期待はしていない」とも述べる。

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 自民党の6派閥の収入は約11億8400万円だ。パーティー収入は約9億2300万円で、8割を占める。郷原氏は「党所属の政治家であれば、支部があって、政党助成金が分配される。派閥にはそういう分配がないから、資金を集めるとなるとどうしてもパーティーという話になる。だが、そもそも、なぜ派閥が資金を集めて力を持たなければいけないのか。党内で派閥が力を持っているから、その都合でこういった集金システムを維持し、不透明な世界を作ってしまうことにつながる」と苦言を呈した。

 この指摘に近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は、「政治家個人のものではなく、派閥のパーティーであることに焦点をあてるべき。派閥の中で集金が得意な人が大臣になったりすることもある」と応じる。これに郷原氏は「中選挙区制の時は派閥が候補者を立てていて、バックアップする機能もあった。今は、大臣・副大臣ポストのためにお金が必要だという話で、派閥そのものが歪んでいる」と分析した。

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 プロデューサーで慶應大学特任准教授の若新雄純氏は「派閥の存在意義が、お金ではなく政策ベースになっていて、“良い政策を考えている派閥だから次の総理はあそこから”となればいい。しかし、今の派閥は”選挙でお金を使えるところ、そういう仲間がいるところ”となっている」との見方を示す。

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 では、規制は必要なのか。法政大学教授の白鳥浩氏は「記載義務の金額を、20万円から5万円にしてみる。“うっかり”による未記載でも、罰則をつければきちんと会計をやると思う。ただ、国会議員が自分たちを規制するのは難しいと思うので、第三者が言うべきではないか」と提案。

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 郷原氏は「政党や選挙、政治資金に関するルールは全て議員立法で、役人には手が出せない。だから、第三者的な立場から政党や政治家にも厳しいルールを提言して、国民の“それをやるのは当然だ”という声を集めていくべき」と賛同した。(『ABEMA Prime』より)

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