苦しい戦いだったからこそ、トップの喜びは何物にも代えがたい。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」11月30日の第1試合は渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)がトップを獲得。前回(27日)のラスからリベンジに成功した。
この試合は東家から赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)、松本、KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)の並びで開始。東2局、ペン7筒待ちのリーチを敢行。これをツモってリーチ・ツモ・ドラの4000点を獲得。ピンズの上目が安いとみるや愚形でも堂々と攻め込んだ、鋭いツモアガリだ。
その後、試合は小場で推移。さらなる加点のチャンスは南2局に訪れた。タンヤオ・赤、カン4筒待ちのテンパイをダマテンに構え、松ヶ瀬から2600点をゲット。松ヶ瀬一人が沈み、他3人でトップを争う様相となる。
南4局1本場は壮絶なめくり合いとなった。2万5100点持ちの3着目にいた松本、3・6索待ちのリーチをかけた。トップ目滝沢までは6200点差。手役はないが赤が1枚、ツモれば逆転トップになれる。大きく腕を振り、ツモ牌を引き寄せる松本。それに最後方から襲い掛かって来たのがラス目に沈んでいる松ヶ瀬だ。123の三色同順含み、高目ツモなら3人ごぼう抜きの激アツリーチで押し返してきた。
松本がアガるか、それとも松ヶ瀬が劇的な大逆転を決めるか。バシン!と乾いた打牌音が対局スタジオに響き渡る。実況の日吉辰哉(連盟)は「一歩も引けない男たちの戦い!」と声を枯らす。ファンも「こい!」「すげえ!!!」「きたああ、なにこれ」「激アツ」「大勝負だ!」「これを見に来た」と大興奮で見守るこの勝負、松本が3索を叩き付け、リーチ・ツモ・赤の4000点(+300点)で決着だ。松本は今期5勝目、ファンは「よっしゃああああ」「ベストバランス」「あっちぃ」「きちゃあ!」「もってぃつえー」と大騒ぎでこの勝利を喜んだ。
正念場と位置付け臨んだこの試合、松本は「ここを食い止めれば上位戦線に踏みとどまれるかな、というところだったんで、本当にうれしいトップとなりました」。決して今の状況に追い込まれていたわけではないが、リベンジのために燃えていた。オーラスの逆転打には「最高に嬉しい!」と目を細めた。
この日でチームは40試合を消化。松本は「選手にとっては『もう40試合経ったのか』というところ」と、時の速さを痛感。「11月最後の日にトップが取れて良かったです。12月にはあの人も帰ってくるだろうと思いますので、今後ともご視聴、応援、よろしくお願いします!」と、この月は登板ゼロで終わった絶対的エース・多井隆晴(RMU)についてもふれた。
重厚な面子に囲まれた試合も、若きエースが真骨頂を発揮し勝利。エース不在で戦ったこの月もチームはプラスを維持した。昨年王者の層の厚みはリーグ随一、中盤戦も切り込み隊長・松本が道を開く。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)3万400点/+50.4
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)2万9200点/+9.2
3着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)2万8800点/▲11.2
4着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)1万1600点/▲48.4
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)