アメリカンフットボール部の薬物事件をめぐり、日本大学は改善計画などをまとめた報告書を文部科学省に提出した。
この中で明記されたのが、アメフト部の廃止方針だ。学生日本一を決める甲子園ボウルで21回の優勝を誇る名門が83年の歴史に幕を閉じることになる。
ただ、納得できないのは部員たち。現役部員13人が日大本部を訪れ、廃部の撤回を求めると共に180人分の署名が入った要望書を提出していたことがわかった。要望書には「無実な部員が大半を占める中で廃部という判断、結論に正当性がなくアメフトをやる環境を奪われるのは納得できるものではない」という記載も。
また、廃部の撤回を求めるオンライン署名も立ち上がった。賛同者は1万5000人を超え、署名サイトには、「薬物に手を出した学生以外に罪はありません。いいかげん連帯責任みたいな思考はやめましょう」「この段階での廃部の判断は、完全に大学側の逃げの姿勢でしかありません」など、大学側の判断を批判する声が寄せられている。
同様に日大アメフト部の存続を求めているのが、学生日本一を競い合い、悪質タックル問題で被害を受けた関西学院大学アメフト部の前監督・鳥内秀晃さんだ。
鳥内前監督は「残された全然関係ない学生たちがいっぱいいるわけです。彼らに対してどうするんだと。行き当たりばったりで世論を見ながら反応しているようにしか見えない。“学生ファースト”でやっているのか疑問」と憤る。
去年10月以降、部員の薬物使用に関する情報が寄せられていたが、大学側が動いたのは今年7月。大麻とみられる植物片を見つけたものの、12日間にわたって手元に保管し、その間警察には報告しなかった。さらには処分内容をめぐって林理事長と澤田副学長の対立も表面化。法廷闘争に発展している。
鳥内前監督は「学生のために大学はあるんです。完璧な学生はいません。いろんな学生がいます。その子たちは色々な個性があって成長させてあげて、世の中に送り出すのが使命なので、それを忘れて大人のエゴで早くふたを閉じちゃダメ」と述べた。
日大はアメフト部の廃止などについて来週月曜に林理事長が記者会見で説明することにしている。
(『ABEMAヒルズ』より)
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