重量級、空手家同士の壮絶な打ち合いは目が飛び、身体が仰け反りながらも「負けたくない」という気持ちのぶつかりあいに。ダウンを奪い合う手に汗握る勝負にファンからは「壊れる壊れる」「もうタオルでいい」と悲鳴のようなコメントが相次いだ。
12月9日にエディオンアリーナ大阪で開催された「K-1 ReBIRTH2」。星龍之介(POWER OF DREAM)と山口翔大(TEAM3K)の試合はゴリゴリの打撃戦に。ダメージで“体が斜めに”なりながらも打ち合う持久戦を山口が3ラウンドKOで制した。
日本重量級のホープとして連勝を続けてきた星だが、前回、初の海外勢であるカルロス・ブディオに敗戦。そして今回は、白蓮会館の全日本大会で5度優勝など空手の実績を積み上げてKrush、K-1で活躍中の山口との空手対決が実現した。
極真空手がバックボーンである両者。序盤はカーフキック合戦、近距離の打撃戦を制し星が左右のコンパクトな打撃を叩き込んでダウンを奪う。
ダメージが残る山口は星の猛攻を受けながら打ち合い、必死にリカバリーを試みつつ胴回し回転蹴り。山口の気持ちの強さを見たABEMA解説の佐藤嘉洋から「ここを駕いだら山口の逆転もあり得る」とのコメントが。そんな発言の直後に、瀕死の山口が放った右が入り、今度は星が腰から落ちダウン。連打を貰いながらフラフラで耐え抜いた星。互いに1ダウンを奪い合ってラウンドが終了する。
2ラウンド、ともにスタミナが削られペースは落ちているが、蹴りパンチともに一撃は重い。左ハイの星に山口は三日月蹴りなど空手家同士の意地が交錯する。星がヒザ、パンチと集中攻撃、ローブローで傷んだ山口も、終了間際の右で星をグラつかせてみせた。
手数も多く、それぞれワンダウンと拮抗した戦いは最終3ラウンドへ。右カーフで削る星に、山口はミドルから胴回し回転蹴り。すると山口の右が星のテンプルを捉える。星の足はもつれ、ロープ際でフラフラ状態に。前に崩れることを拒む星だが、足がもつれて斜めにエビ反りながら、目はうわの空。そんな意識朦朧となった星の姿にファンから「もう飛んでる」「ダメダメ、止めろ」「もうタオルでいいだろう」と“これ以上は危険”の声が相次ぐ。
なんとか試合再開に持ち込んだ星だが、ダメージは明らかだ。さらに追撃の連打をもらうと「壊れる壊れる」「ストップだろ」との声も聞こえるなか、レフェリーが割って入り試合をストップした。
敗れた直後の星は、事態が呑み込めないか、やや放心状態目。自陣で「まだ戦える」と訴えたが、ファンからは「これはレフェリーの判断が正しい」「ナイスストップだったんじゃないか」との声が寄せられた。
解説の佐藤は「二人とも極真出身で極真のスタイルがまだあるなかでK-1スタイルにアジャストしている」と真っ向勝負の両選手を称賛した。