この形からは動かない。その我慢が驚きのアガリを呼んだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」12月15日の第2試合。セガサミーフェニックス・醍醐大(最高位戦)がダブ南をポンせず、その後のリーチでツモ。裏ドラ3を乗せて、倍満に仕上げるファインプレーを披露した。
南1局、醍醐は序盤に打たれたダブ南をスルー。ペンチャン残りで鳴いてもアガリは遠いが、役は確定する。スピードを重視する選手であれば鳴く手だが、醍醐はじっくりメンゼンで手を育てる道へ進んだ。9巡目、南を暗刻にすると、4・7筒待ちでリーチ。1万7500点持ちでラスに沈んでいることもあり、ダマテンで5200点のこの手をリーチ。解説の朝倉康心(最高位戦)は「鳴かなかった中で最高の未来になりました」と行く末を見守った。
KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)が追っかけてきたが、醍醐が渾身の力で「ツモ!」。リーチ・ツモ・ダブ南・赤に裏ドラが3枚乗り、倍満の1万6000点へと化けた。ファンは「きたああああ」「うらさん!!」「すっご!」とエキサイティング。KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎(連盟)は大きく目を見開いて呆然とするばかり。
朝倉は「8000が16000になりましたよ!デカすぎる!南鳴いていたら、ねえ」。実況の松嶋桃(協会)は「全然違う世界を見せてくれました、醍醐大!」とこの一撃を高らかに伝えた。
醍醐の選択は大正解!我慢の“役牌鳴かず”が招いた裏3倍満のゴツいアガリに相手も呆然。このアガリをきっかけに浮上した醍醐は、オーラスで惜しくもTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)に逆転のアガリを許したものの、2着でポイントを持ち帰った。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)