今年10月、とある主婦のブログが話題になった。タイトルは『方向音痴ママ、迷子になって息子に助けられる』。5歳の息子に道を教わるという出来事に、「息子さんが頼りになりすぎる」などさまざまな反響があった。
ある統計では、日本人の5人に2人は方向音痴で悩んでいるという。なぜ人は道に迷うのか。『ABEMA Prime』で、ブログを書いた大貫さんに詳細を聞くとともに、専門家に改善策があるのかを聞いた。
■「ここを曲がったら目的地だと思うと、全然知らない所に出る」
ある日、駅から徒歩7分のケーキ屋に行く大貫さんを取材させてもらった。スタートから逆方向に行く、来た道を戻らずに遠回りする、店をスルーするなど紆余曲折を経て、目的地に到着したのは35分後だった。
地図アプリも使っていたが、「アプリの中の地図と、実際に見ている景色が違う。ここを曲がったらもう目的地だと思うと、全然知らない所に出る」「ナビを使っている時期もあったが、1回でも違う所に行くと案内が変わってパニックになってしまう」という。
上京後に道に迷うようになったと感じているそうで、「出身の栃木だと目的の建物が見やすく迷わなかったが、東京だと同じような建物が多い。さすがに家の近所は大丈夫だけど、近道しようとすると迷う。息子は普通にわかるので。『あれ?ママどうしてこっち行ってるの?あれお家じゃないの?』と言われる」と明かした。
また、駅から地上に出られない、商業施設で迷子になるなどの悩みもある。「渋谷はしょっちゅう工事をしているので絶対にヒカリエに出てしまう」。一方で、「東京駅は芸人だと八重洲中央口に何千回と集まるので、迷わない。新宿もパチンコ屋さんで覚えていて、“◯◯◯◯は西口のあそこ、●●●●はあそこね”と把握できている」と話した。
■方向音痴は改善できる?「筋肉と一緒で鍛えられる」
方向音痴改善メソッドを研究する北村壮一郎氏は、「論理的な方と直感的な方だと、完全に前者が多い。目の前に見えている風景を情報としてトランスレーションするのがすごく苦手で、自分の直感やフィーリングを信じて進んでいる」と説明。
方向音痴は病気などではないという。「全貌は明らかになっていない。僕が表現として使うのが、脳が鍛えられていない状態、もしくは今まで鍛えることがたまたまなかった状態。筋肉と一緒だ。空間認識能力と記憶力、この2つを合わせて情報を取り入れれば迷わず行ける」。
男女を比較し「地図が読めない女」などとも表現されるが、これは誤りだと指摘。「学術的にそういった差はなく、実は男性もけっこう多い。議論の1つとして幼少期の過ごし方があるが、例えばアウトドアでいろんな所に行く機会があった人と、インドアで家にいた人だと、経験の積み重ねが違う。テレビゲームでも、RPGをやったり地図ダンジョンを進んだりというのは、男性のほうが経験はあると言える。そういう違いがあるかもしれない」との見方を示した。
では、改善はできるのか。「ロンドンのタクシー運転手たちの脳のCTスキャンを撮ってみると、海馬が他の人よりも大きいというデータがある。これは日々の乗務の中で鍛えられたということだ。つまり脳トレをすれば、方向音痴は改善に向かう。人は興味があることしか記憶に残らないので、地名を覚えるのが苦手な場合は、代わりにケーキ屋やファッション店を目印にする。人に言われた目印ではなく、自分の興味があるもので決めると有効だ」と述べる。
さらに、屋内施設は“RPGの主人公”のように進むことを提案。“消去法”と“ストーリー仕立て”で考えることを勧め、「最初にまず出発するところがあって、ゴールがある。その間には何回か曲がる場所があり、1つ目は◯◯屋さん、2つ目に◯◯屋さんと順番立てて、チェックポイントをクリアしていくことだ」とした。(『ABEMAPrime』より)
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