WBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)が12月31日、東京・大田区総合体育館で同級8位のホスベル・ペレス(ベネズエラ)との防衛戦に臨み、5ラウンドに2度のダウンを奪った井岡が7ラウンド、KO勝利。宣言どおりのKOで初防衛に成功するとともに、スーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)を一つ上回り、日本人では最多となる世界戦通算勝利数を「22」に伸ばした。井岡のKO勝利は3年前、2020年の大晦日で田中恒成(畑中)を8回TKOで破って以来。
21歳で初めて世界チャンピオンになってから13年、2011年で初めて大晦日のリングに立ってから12年…6年連続12度目の大晦日出陣となった34歳の井岡が、チャンピオンの実力と経験を見せつけた。
7月にジョシュア・フランコ(米)との再戦に勝利し、WBA王座を手にした井岡は当初、WBC王者のフアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との統一戦に向けて調整を進めていたが、実現には至らず。代役として、世界タイトルマッチが2度目となるペレス(20勝18KO 3敗)に白羽の矢が立った。
経験と実績から“井岡有利”の下馬評。しかし、千載一遇のチャンスにペレスはエストラーダのトレーナーを務めるホセ・アルフレッド・カバジェロ氏に師事。メキシコで1カ月半のトレーニングを積んで、運命のリングに上がった。
序盤から積極的に打って出た井岡。3ラウンドにはボディを効かせると、5ラウンドで2度のダウンを奪う。
21日の公開練習時に井岡は「KOすることがすべてではないんですけど、今回はKOしたいという気持ちが強い」とKO宣言。そして、その言葉どおりの快勝劇。6年連続12度目の大晦日のリングで改めてその実力を示した井岡が、悲願となるエストラーダとの統一戦にまた一歩近づいた。