1月2日、東京・有明アリーナでプロレスリング・ノア新春のビッグイベント『ABEMA Presents NOAH “THE NEW YEAR”2024』が行われた。
メインイベントはNOAHの象徴である丸藤正道と、現在アメリカのメジャー団体AEWで活躍する飯伏幸太の初となる一騎打ち。丸藤vs飯伏は’09年4月と’10年7月に2度組まれたがいずれも双方の負傷欠場により流れており、15年越しに実現した“運命の一戦”だ。
NOAHの年始のビッグマッチといえば、昨年の1.1日本武道館でグレート・ムタと中邑真輔の“奇跡の対決”が実現しており、2年連続で夢のカードが実現した格好だが、今年の丸藤vs飯伏は夢とともに厳しい現実をもさらけだす闘いとなった。
試合は開始のゴングが鳴っても両者しばらく一歩も動かず。運命の一戦実現に感極まったか、飯伏の頬を涙が伝う。
序盤はじっくりとグラウンドの攻防から、丸藤が飯伏の左腕を集中的に攻める。飯伏もパワースラムから、セカンドロープに飛び乗ってのムーンサルトプレスで反撃するが、いつものキレがない。その後も飯伏は、得意の場外へのムーンサルトアタックであるバミューダ・トライアングルを仕掛ける際、ロープを踏み外すなど、らしくない姿を見せてしまう。
これに対し丸藤は、得意のフックキックやトラースキックなどキレのある蹴り技を中心に飯伏を翻弄。そして前方回転不知火、正調不知火を決め、飯伏をコーナーに上げて雪崩式の技を狙うが、飯伏は頭突きでこれを回避すると、コーナー上からカミゴェで丸藤を叩き落とし、スライディング式ボマイェからシットダウン式パワーボムを決めるがカウント2。
丸藤は飯伏のカミゴェを欧州式エビ固めからパーフェクトキーロックで切り返すと、フックキック、虎王を決め、さらに真・虎王を炸裂させる。そしてタイガーフロウジョンで勝負に出るが技が横に崩れカウント2。それでもポールシフトを狙うが、飯伏が逆に丸藤のリストをつかんでのハイキックからカミゴェ。さらに後頭部へのカミゴェから正調カミゴェと畳み掛けカウント3を奪取。飯伏が必死でくらいつき、なんとか逆転勝利をもぎとった形となった。
しかし、勝利したものの飯伏は明らかに満身創痍。なかなか立ち上がることができず、試合後、ジェイク・リーと清宮海斗がリングに上がったものの無言で睨み合いを展開しただけで無言でリングを降り、足を引きずりながらバックステージに戻ると、会見場にも姿を表さずそのまま救急車で病院に搬送された。どうやら試合中に足を負傷した模様だ。
そんな飯伏を尻目に、リングに残ったジェイク・リーはマイクを握ると「あんなウルトラヘビー級みたいなリズムで試合しやがって! そのリズムで試合やっていいのは、俺みたいなデカい奴なんだよ!」と絶叫。あらためて2024年、NOAHの舵を取ることを宣言した。
そして清宮も「2024年、清宮海斗このNOAHの闘いの中心に入っていきます。ここにいるみんなで一緒にNOAHを作っていこうぜ!」と、自分が中心となって新たなNOAHを作っていくことをアピールして、大会を締め括った。
また、セミファイナルでは拳王が激闘の末、征矢学を拳王スペシャルで破ってGHCヘビー級王座防衛に成功。試合後、新ユニット「TEAM NOAH」を立ち上げた潮崎豪がリングに上がり挑戦をアピールすると、拳王は「俺はベルトを賭けて闘うから、お前も『I am NOAH(の称号)』を賭けて闘え」と返答。大会終了後、1月13日の後楽園ホールでのタイトル戦が正式決定した。
拳王、潮崎、ジェイク・リー、清宮、それぞれが自らの存在をアピールした1.2有明アリーナ。はたして今後のNOAHを牽引するのは誰になるのか。そして満身創痍の飯伏幸太の継続参戦はあるのか。NOAHの2024年は群雄割拠の戦国時代となっていきそうだ。
文/堀江ガンツ
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