最大勢力は2000万を超える人々の力を借りて、頂点を目指す。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、出場する棋士を発表する監督会議が1月6日に放送された。チーム関東B(東京・神奈川)は最多の48人がエントリーし、監督の渡辺明九段(39)が4人の棋士を厳選。優勝候補と胸を張れるチームが出来上がった。「バランスのいい人選ができた」と納得のメンバーで、多くのファンの声援を受けて一気にてっぺんまで駆け上がる。
将棋会館がある東京に、隣県の神奈川。1都1県ながら総人口は約2300万人にもなり、当然ながら出身の棋士も多い。渡辺九段自身も東京都葛飾区の出身。多くの人々が集う都会で生まれ育ったが、他県ほど「特色」と呼べるものもないのが、東京・神奈川らしいところでもある。今大会の大テーマである「地域の活性化」についても「地域の特色を出すのは難しい。イベントの集客力はあるので」と、その人口を活かして多くの人々に将棋への関心を持ってもらうという、原点回帰の普及活動を目指す。
スローガンは「2000万の声援を力に」。人口が多い分、声援もプレッシャーも大きいが、チーム編成は自信を持てた。永世名人のレジェンド棋士・森内俊之九段(53)、タイトル5期で「軍曹」とも呼ばれる永瀬拓矢九段(31)、順位戦A級入りも期待される増田康宏七段(26)、タイトル戦線にも加わってきたホープ・伊藤匠七段(21)。今年40歳になる渡辺監督を加えれば20代、30代、40代、50代と年齢構成から見ても実にバランスが取れている。「いいメンバーが揃いました。優勝候補の一角にあげられるメンバーです。若い棋士も多いので、年長者の森内先生の力も借りながらですね」と、経験抱負な森内九段を軸にしつつ藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)の研究パートナーでもある永瀬九段にはポイントゲッターとしての期待も大きい。
将棋会館がある東京を含むチームとしては、周囲からの挑戦を受けて立つような立場でもある。藤井竜王・名人がいるチーム中部との直接対決ともなれば、大盛り上がりになること間違いなし。総本山の看板を背負いながら、関東Bが突き進む。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)