能登半島地震の被災地で、いま「水」が必要とされている。
【映像】地獄のような感じ… 被災した美容室の様子
被災地で話を聞くと、避難してきた男性は「風呂もシャワーも使えないし、ご飯を炊くこともできない」、被災した小学6年生も「前の生活に戻りたい」と語った。1月13日午後2時時点で、断水は石川県輪島市や珠洲市、七尾市などのほぼ全域で続いている。
石川県内で3店舗を経営する「美容室M&M」の坂本誠弥(すみひさ)さんは、七尾市の店舗が被災した。震度6強を記録した七尾市では、住宅225戸が全壊し、2週間近くたつ現在も、ほぼ全域の2万400戸が断水している。客前の鏡が倒れ、壁に亀裂が入り、「地獄のような感じ」だと話す坂本さん。七尾市では全体的に断水が続いていて、営業再開のめどは立っていないという。
地元の石川県で、両親が29年間続けてきた美容室を継いだが、営業を停止せざるを得ない状態になったのは、今回が初めて。美容室のスタッフも6人が被災し、自宅が半壊状態の人もいるそうだ。坂本さんは「お水がないと生活ができない。断水が続いていて、生活水がとても必要」と説明する。
「トイレが使えないので、水を飲まないことや食べ物を我慢する例もよく聞く。水は(美容室の)営業はもちろん、人々の生活にとっても必須の条件。ライフラインとして復旧が求められている」(美容室M&M・坂本誠弥さん)
国際政治学者の舛添要一氏は、かつて水回りの災害政策を担当する厚生労働大臣を務めた経験から、能登半島地震を「ここまで断水がひどいのは初めて」と評する。多くの場合は「数日でだいたい復旧する」というが、今回は地面が隆起して水道管が浮き上がるなどの被害が出ているため、「簡単に水の復旧は不可能」だとみている。「東日本大震災では原発事故で一定の地域はそこに住めないと、外に出た。それと同じくらいの対応が必要な被害だと感じる。水も簡単には戻ってこない。政府が最初から入ってやらないといけない」生活に必要な水を確保するために「集落ごと移るしかない」と提言した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)