日本では聞き慣れない「アシッドアタック」 事件の実例を知ることとハードの整備を
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 24日午後9時ごろ、東京・港区の白金高輪駅のエスカレーターで、男が突然、会社員の男性に硫酸とみられる液体をかけるなどし、この男性と女性の2人がけがをした。男は現在も逃走している。

【映像】事件現場、防犯カメラが捉えた犯人の姿

 男性は搬送の際、「目が見えない」と話していたが、その後の捜査関係者への取材で、男性は顔や背中などに全治約6カ月のやけどを負っていることがわかった。駅の防犯カメラには、男性の後方にいた男が、犯行の数秒前に真後ろに近づく様子が映っていたということだ。また男は、少なくとも3駅手前のホームから男性をつけていた可能性が出てきている。(情報提供先:高輪署捜査本部03-3440-0110)。

 被害にあうとは思わないような事件。海外ではこうした「アシッドアタック」が多発しているというが、臨床心理士で明星大学心理学部准教授の藤井靖氏は、海外だけの話だと思ってはいけないと注意を促した。

日本では聞き慣れない「アシッドアタック」 事件の実例を知ることとハードの整備を

 「主に中東とかインドで多発し、ヨーロッパなんかでも年間で数百件レベル、世界的に見れば、少なくとも毎年1500人以上が被害に遭っているともいわれており、『アシッドアタック』や『アシッドバイオレンス』などと呼ばれている。どちらかというと、男性優位の社会というか、女性蔑視や女性に対するなんらかのネガティブな思いがあって犯行に至るケースが、海外では多い。一昨年には、海外でアシッドアタックから肌を守るファンデーションが開発されたとのニュースもあった。日本で何件も連続で起こっているわけではないが、過去の加害者の発想や動機からすると、対岸の火事ではないという印象を受ける。もはや日本も安全ではないと考えるべきだが、一方で、なかなか防ぎようがない問題でもある。

 アシッドアタックという言葉も聞いたことない人はいて、実情もわからないと思う。日本でも、例えば痴漢とか精液などの体液をかけられるといった被害や事件は起こっているが、今回の事件のような実例に学んで、そういうことがあると知る。置かれている状況によってできることは限られてくる部分はあるが、硫酸等をかけられたら、対処としてまずは119番通報はしつつも、緊急的に必要なのは水(できれば流水)で洗い流すことと、冷やすことと言われている。水は持ち歩いていることもあると思うが、もし近くの人がそういう被害にあったら、そういう対処もできるかもしれないというような想像力を持っておくことも必要だ。

 今だいぶ街中や駅などに監視カメラも増えたが、電車の中だと飛行機と違って持ち物検査もない。そういう意味では、ハードの整備はもう少し進めたほうがいいと思っている。例えば、カメラで撮った人の画像やAIを活用して、精神状態や犯罪を起こしうるリスクの高さをアセスメントしたり、不審者や要注意人物を割り出すソフトやシステムが、ここ5年、10年の間、国内外で開発されてきている。しかしそれがあまり実用化につながっていなくて、もちろん費用の面も影響しているが、そういったものは実践的に使ってデータを蓄積していかないと、精緻なものになっていかない。実験的な試みでもいいので、痴漢や犯罪が多い路線でまずは導入してみるとか、そういう予防策を講じていると周知することにより、より安全にしていける面もあるので、技術革新と実用化を同時に進めていく必要があると思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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アシッドアタック 防止する策は
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