<大相撲一月場所>◇五日目◇18日◇東京・両国国技館
勝負が決した瞬間、負けた力士の脚が危険な角度で曲がって倒れると、館内はどよめきとともに、一瞬にして凍り付いた。勝った力士が目の前で起こった出来事に両手を広げて思わず後退り…悲鳴にも似たどよめきが起こる中、親方、呼出などが倒れた力士のもとに駆け寄った。誰もが大きなケガを覚悟したアクシデントの結末は、親方も相手力士も観客も予想外の“嬉しい”サプライズとなり、館内のざわめきが一転、拍手と歓声に変わった。
十両九枚目・大翔鵬(追手風)が十両十一枚目・天空海(立浪)を浴びせ倒して3勝目を挙げた一番で、勝負が決した瞬間に館内が凍り付く一幕があった。
いつものように大量の塩を撒いて土俵を清め、立ち合いを迎えた天空海は、右のど輪で前に出るも、大翔鵬に左腕を抱えられ、肩越しに左上手を取られる苦しい展開に。
土俵際、逆転を狙った天空海が右からの投げを打とうとしたまさにその時、大翔鵬の圧力と自重に耐え切れず、左脚が膝から90度以上にぐにゃりと曲がって倒れ込んだ。
「あぁ!」と悲鳴と驚きの声が館内にあがると、真っ先に審判員の親方が手を上げ、呼出や他の親方が天空海のもとへ駆けつけ、天空海を心配そうに取り囲んだ。ざわめきが収まらない中、天空海が上体を起こして土俵に座る。と次の瞬間、予想外の嬉しいサプライズが起こった。
体重164キロの天空海が“ひょい”っとジャンプするように軽々と立ち上がったではないか。その瞬間、観客から「あ、立った!えっ!?」と驚きの声が。さらに土俵下で経緯を見守っていた大翔鵬、さらに間近にいた元雅山の二子山親方は思わぬ展開に驚きと安堵の表情を浮かべた。
あわやの事態が一転、立ち上がって自らの脚で元気に歩く天空海の姿に、館内からは拍手と歓声が起こった。事なきを得た天空海だが、今場所4敗目を喫した。(ABEMA/大相撲チャンネル)