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 新型コロナウイルスの感染拡大から4年。横浜で、ある演奏会が開かれた。テーマは「響け2020のハーモニー」。“あの時を取り戻したい”若者たちが、悔しさを胸に舞台に立った。

【映像】演奏会の様子

 21日、演奏会に集まった学校や年齢もバラバラの若者たち。ただ一つ共通していることは、コロナ禍により吹奏楽コンクールが中止となった悔しい思い。

 この演奏会を企画したのは、現在高校3年生の江頭奈桜さん。当時は中学3年生だった。新型コロナによって、様々なイベントが中止に━━。2020年の夏に行われる予定だった「全日本吹奏楽コンクール」もその一つだった。

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「当時は悔しさや怒りがすごくあって、学生にとっての吹奏楽コンクールの大切さを大人はわかってくれているのかなということも思った。子どもだけではなにもできない思いが中学生の私にはすごくあった」

 SNSを通して全国に募集をかけ、約1年半前から準備を進めてきたという江頭さん。「当時の悔しい思いをした仲間たちと一緒に、2020年のハーモニーを取り戻したい」と話す。

 江頭さんの趣旨に賛同して、早くから活動に参加していた高校3年生の稲垣佳歩さん。しかし、演奏会の前には少し違う気持ちも芽生えていたという。

「『なんか違うな』と思った。私にとってコンクールは、中学に入学して初めて楽器を触って、合奏や吹奏楽について何も知らないところから2年間頑張ってきた仲間と、3年目の最後に全力を出し切ることに意味があった。“2020年の代わり”として、他の誰かと演奏するのでは埋め合わせしきれないと気づいた」

 様々な思いの人が集まった吹奏楽団。中には、この活動に強く賛同した社会人もいた。演奏会活動での経験も豊富な佐藤龍弥さん(28)もその一人だ。

「自分より10歳以上下の子もいる。そういった子が一生懸命やっているのを見たらサポートせずにはいられなかった。2020年から約3年、こういうことがあったんだぞというのを忘れないことが1番大事だと思う」

 あの時をとりもどす演奏会が始まった。2020年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲の一つでもあった「トイズ・パレード」などが流れ、拍手の中で幕を閉じた。

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 演奏会の終了後「埋め合わせはしきれない」と感じていた稲垣さんに話を聞いた。

「『このメンバーでは、2020年の悔しさを晴らすことはできない』と言っていたが、整理がついてたのかな。自分でもちょっとびっくりするぐらい、今は達成感と本当に楽しかったという(気持ち)。このメンバーで演奏できてよかった」

 この演奏会を立ち上げた江頭さんは━━。

「取り戻せた以上だと思う。取り戻せたら100%だったら今日のは120%だった。ただ、取り戻したというよりも、この3年分の思いもプラスして、さらにいい演奏ができたのではないかと思っている」

(『ABEMAヒルズ』より)

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