日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、山崎隆之八段(42)率いるチーム中国・四国が、愛媛県内で「地域会」パート2を開いた。名物・名産でパワーチャージを図ったが、地元の将棋道場に通う子供たちとの交流では厳しい現実を突きつけられる場面も!?個性派揃いのメンバーが“珍道中”を通して結束力を高めていた。
鳥取・岡山・島根・広島・山口・香川・徳島・高知・愛媛の9県を束ねて結成されたチーム中国・四国。監督を務める広島市出身の山崎八段は、同じく広島市出身の糸谷哲郎八段(35)、岡山市出身の菅井竜也八段(31)、愛媛県松山市出身の黒田尭之五段(27)、香川県高松市出身の現役最年少棋士・藤本渚四段(18)を出場登録棋士に選出した。2回目の地域会の地に選んだのは、愛媛県。名産のミカン農園や日本屈指の温泉地でもある道後温泉に訪れ大会のPR活動と地域の魅力を発信した。
現在、王将戦七番勝負挑戦中の菅井八段を擁するチーム中国・四国だが、タイトル戦期間中とありPRロケは欠席。山崎八段、糸谷八段、藤本四段の3人は西条市の「戸田果樹園」に訪問し、みかん狩りを初体験した。畑の中には慣れた手つきの農園スタッフの姿…かと思いきや、現れたのは黒田五段。コントのような登場に一同は爆笑しつつ、その場でもぎたての味を満喫した。山崎八段は「予想よりだいぶジューシー!ジュースを飲んでるみたい!」と独特の表現で食レポをこなすと、あっという間に4つのみかんを平らげていた。
地元の名産でパワーチャージした4人が次に向かったのは、松山市の「児島将棋道場」。ここでは大勢の子供たちとの交流を楽しんだ。まずは棋士側から自己紹介を行ったが、子供たちからは「全員知っています!」と嬉しい反応も。藤本四段には「新人!」の声も飛んだが、2022年4月にプロ入りし、翌年の加古川青流戦を制した新進気鋭の存在は子供たちにも十分知られている様子だった。
子供たちからあふれるほどの元気を受け取った山崎八段は、「チーム中国・四国は優勝できそうですか?」と逆質問。しかし、道場の子供たちの脳裏には別のチームが浮かんでいる様子で“スーン”と無反応状態となっていた。パラパラと拍手も起こったものの、この様子に山崎八段は「素直だな。すごい素直な反応」と苦笑い。現実を突きつけられたものの、それをもパワーに変えて必勝を誓っていた。
最後に訪れたのは、古代に名を知られた道後温泉。商店街では日本最大のタオル産地「今治」のブランド品をショッピングをするなどたっぷりと楽しみ、4人仲良く温泉へと向かった。
愛媛の名物、観光名所を訪れたほか、地元の子供たちとの交流でたくさんの思い出を得たチーム中国・四国。山崎八段は「1日本当に楽しかったですね」とリフレッシュできた様子だ。初戦は屋敷伸之九段(52)率いるチーム北海道・東北と激突。厳しい戦いが予想されているが、力を合わせて強豪撃破に挑む。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)