一生忘れられない日になったはずだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」1月29日の第1試合はBEAST Japanext・中田花奈(連盟)がデビュー後初トップを獲得。「自分の打ち方で戦いたい」と出場を直訴し、その直後に結果を出した新人雀士は、誰よりも多くの拍手喝采を浴びた。
前回、自身10戦目の登板の際は「ひょっとしたら私はこれが最後かもしれない」という思いで打っていた中田。直訴の上で出場したこの試合は東家からKADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、赤坂ドリブンズ・浅見真紀(最高位戦)、中田の並びで開始した。試合開始早々に団体の先輩でもある岡田に親跳満ツモで先行され、さらに浅見にも東2局2本場に満貫をアガられて3着目にダウン。それでも焦らず反撃の機会を窺う中田に、東3局でチャンスが訪れた。6巡目に6・9筒待ちで先制リーチをかけると、一発で9筒をツモ。リーチ・一発・ツモ・赤の8000点をツモり、一気に原点へ復帰した。
南1局には終盤のリーチでトップ目岡田を下ろし、その後にツモ。リーチ・ツモ・平和・一盃口の5200点で2着目へ。こうなると初トップへの期待にファンも「かなりん!!!」「ビースト!ビースト!」「ナカダカナシカ!ナカダカナシカ!」「今日は違うぞ、気合が」と大騒ぎだ。南2局は萩原から6400点をアガってトップ目岡田と並びになり、南3局は価値ある1人テンパイを奪取、これで岡田をマクりトップ目でオーラス、南4局1本場を迎えた。
岡田との差は3600点差、1人ノーテンで伏せることができないため、中田はアガリに向けて手を組む。そこに岡田が先制リーチをかけてきた。萩原も仕掛けてテンパイ、中田はこうなるとベタオリだ。慎重に牌を選び、最終手番。ここで中田は手詰まりを起こすが、萩原から打たれたアガリ牌を岡田は見逃しており、その萩原も危険牌を引いてオリたため、中田は何を切ってもトップ確定。2筒をそっと置き、ノーテンで流局。チームのファンはもちろん、他チームとみられるファンからも拍手喝采を受けた。
試合後は「大変お待たせいたしました、応援してくださった皆様ありがとうございます!」と満面の笑み。さらに「今までの不甲斐ない試合じゃ出させてもらえないかな、と不安になっていたんですけど、やっとトップが取れて良かった」と、見事にチャンスが掴めたことを喜んだ。
最後はファンへ「セミファイナルも全然諦めていない。ファイナル、優勝をこれからもぎ取っていきたいと思います!」と意気込みを語った。スターとして十分な実力、また矜持を見せたのはこの直後だ。「がおー」のポーズを決めると、にっこり笑って両手を下ろし、カメラへキリっとしたまなざし。無駄のない動きは、ヒット曲を踊り終えたアイドルさながらだ。ファンからは「はじめて見れた!」「応援しちゃうぞ」「かわいすぎる!!」とまた惜しみない賛辞が寄せられていた。
【第1試合結果】
1着 BEAST Japanext・中田花奈(連盟)3万9300点/+59.3
2着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)3万6700点/+16.7
3着 赤坂ドリブンズ・浅見真紀(最高位戦)2万4000点/▲16.0
4着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)0点/▲60.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)