2月1日、仲岡しゅん弁護士の事務所問い合わせホームに殺害予告が届いた。
「ワイは〈名前〉ですを
中岡○○ゲイ弁護士をナイフでめった刺しにして殺すンゴガチで殺すンゴ。
なお遺体は切断してスーツケースに入れて淀川に廃棄するので墓すら立たないンゴ。
身を震わせて待ってろナリ」
仲岡弁護士は既に警察に相談している。
仲岡弁護士の元にはこれまでにも殺害予告が届いており、2023年6月頃に「明日会いに行く」「メッタ刺しにする」などのメッセージを送った男は逮捕され脅迫の罪で実刑判決となった。
また、殺害予告はFAXでも…。
「(中略)あなたの弁護士事務所を11月11日8時10分に爆破し、あなたがした悪行の大きさをわからせます。そして、あなた達に家族に硫酸334Lをかけ、失明または処刑します。覚悟しろ、無能共。」
文面を見たときの思いについて仲岡弁護士は「正直、慣れてしまっている部分はある。なぜなら、昨年の6月の脅迫事件の後に模倣犯と思しき人たちが脅迫行為を繰り返していたからだ。他方で、こういった行為はLGBTに対する差別でもあり、業務妨害でもあるためやめていただきたい」と述べた。
6月に殺害予告をした男が実刑判決となったにもかかわらず模倣犯が続く理由について仲岡弁護士は「おそらく犯人は『匿名化できるツールを使っているから自分は捕まらないだろう』と考えているのでは」と予想。
その上で「しかし、最初の犯人が捕まっていることからもわかるように匿名化ツールを使っても捜査によって特定できる。模倣犯達は自分の力を過信し、いずれ捕まる可能性があるとわかっていないようだ」と指摘した。
仲岡弁護士はSNSでも誹謗中傷を受けているという。その内容について仲岡弁護士は「LGBTやトランスジェンダーに対するヘイト的な投稿が多い。例えば、私は元男性であるためか『青ひげが生えてる』といった誹謗中傷、さらには『自分は痴漢の被害にあった』という私に対する痴漢のでっち上げもあった」と説明した。
SNSのあり方を巡っては1月31日、米連邦議会上院司法委員会は米SNS大手5社(Meta、X、Snap、Discord、TikTok)のCEOを呼び、「SNS上の性被害や精神的な苦しみから子どもを守る取り組みが不十分」として法整備を求めた。公聴会では実際に被害を受けた子どもの証言もあり、ザッカーバーグCEOは被害者に遺憾の意を表明し、「新たな被害を防ぐ」と話した。
SNSの現状についてThe HEADLINE編集長の石田健氏は「大きな問題が二つある。一つは現状のSNSのほとんどがアメリカあるいは中国がプラットフォーマーだということだ。そのため、日本で対策をしようとプラットフォーマーに問い合わせても十分な対応が行われないことがあるため、アメリカよりもある種複雑な構造的な問題も抱えている。もう一つの問題は『言論の自由とのバランス』であり、『プラットフォームを規制して本当にいいのか』という議論は以前からあった。とはいえ、最近のSNS等の誹謗中傷、あるいは週刊誌報道を見てると一線を越えてしまっていると感じている」と述べた。
さらに石田氏はヨーロッパにおける対策として「ヨーロッパではインターネット空間における人権の問題を重要議題として取り上げられており、プラットフォーマーが誹謗中傷に対して十分な対応をしていない場合、EUなどの組織がプラットフォーマーに対して制裁金を科せる。これは言論を直接規制しない点がポイントだ。人権や誹謗中傷などの問題と関連がある企業活動に対しきちんとストップをかける、それが国・当局の重要な役割となっている」と説明した。
実際にSNSなどで誹謗中傷などに直面した場合、どうすればいいのだろうか?
仲岡弁護士は「殺害予告のように『明らかに犯罪』というものは警察、名誉毀損・侮辱などは弁護士の範疇となる。誹謗中傷などに直面した際は弁護士などの専門家に相談してほしい。一人で悩まないことが何より大事だ」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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