仲間の指し手を見守りつつ、心の中のドキドキが思わず声に漏れてしまった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ1回戦・第1試合、中部 対 関西Bが2月3日に放送された。中部のエースである藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)は、2番手で登場し破竹の5連勝でチームを勝利に導いたが、第1局では仲間の対局を見ながら、ハラハラドキドキといった様子。自身の対局中には見せないリアクションにファンから「そうちゃん心配」「聡太反応早い」という声が寄せられた。
【映像】藤井聡太竜王・名人は「えっ」「角ぅ!?」とドキドキリアクション
将棋界の天下統一ともいえる八冠保持者の藤井竜王・名人。2024年は独占している八冠の維持という新たな偉業に向けて戦いを続けており、このまま勝ち続ければ対局の大半がタイトル戦という中、年度勝率の歴代最高記録を樹立しようかというペースで勝ちまくっている。その強さは持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算という超早指しのフィッシャールールにおいても変わらず、今回の試合では2番手で登場すると、勝ち抜き戦のルールをフル活用するように、圧巻の5連勝。1人の力で関西Bを倒してしまった。
盤上では、まさに鬼のような強さを誇る藤井竜王・名人だが、控室ではドキドキしていたようだ。思わず声が出てしまったのは第1局、中部の服部慎一郎六段(24)が、関西Bの古森悠太五段(28)と戦っている最中だ。古森五段が54手目に△3三角とし、8八の地点にいた服部玉を覗き込んだところ、服部六段は角を7七の地点に上げて応戦した。この一手に藤井竜王・名人は「えっ…。え、え。なんか…大丈夫ですか?」と心配そう。角交換になる流れに不安を感じていた。
そのまま角交換が生じると、古森五段が持ち駒とした角を服部陣の最深部に打ち込んだことで、服部六段は流れの中で銀損する流れに。形勢もはっきり古森五段に傾き始めた。すると服部六段は、挽回の一手とお返しに2二の地点に角を打ち込んだが、この手にも藤井竜王・名人は「角ぅ!?」と反応。想像していないものだったのか、驚きの声が漏れていた。
どんな手でも瞬時に理解してしまうような藤井竜王・名人が見せたリアクションに対して、ファンからも「そうちゃんが一番みえてるのか」「聡太の口がw」という反響が届いた。第2局からは藤井竜王・名人がずっと対局することとなり、控室の様子が見られることはなかったが、やはり藤井竜王・名人の素の表情は、視聴者にとっては貴重なお宝コンテンツになっていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)