卓を離れればいつもにこやかな八冠保持者も、食べ物のことでは思わず眉がぴくっと動いた(?)。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ1回戦・第1試合、中部 対 関西Bが2月3日に放送された。試合は第2局から中部の2番手として登場した藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が、勝ち抜き戦のルールをフルに活かした5連勝を達成。チームの勝利をもぎ取る大活躍だった。第1局を除き、他の4人は控室で藤井竜王・名人の強さを見続けるということになったが、用意されていたおやつをパクパク。この様子に藤井竜王・名人が「すごく減っていますね…」とボヤく一幕があった。
藤井竜王・名人と食べ物といえば、タイトル戦で食べる「将棋めし」さらにはかわいらしいものも多いおやつがメディアで度々取り上げられ、大反響になることも珍しくない。それほど生産量の多くない菓子を、天下の八冠王が食べたとなれば、瞬く間に連日売り切れ状態になるほどだ。今回から始まった地域対抗戦は「地元の活性化」という大テーマもあり、各チームの控室にも地域色を出そうとゆるキャラのぬいぐるみ、ご当地の弁当や菓子が置かれている。
すると藤井竜王・名人が4連勝した後に迎えた第6局前の作戦会議で、おやつの話題が出た。師匠で監督の杉本昌隆八段(55)が「藤井竜王・名人が対局している間に我々はおやつを食べてくつろいでいたわけなんですが」と微笑みつつ「テーブルに地元色の強いおやつがたくさんあるんですよ」と紹介を始めた。「八丁味噌まんじゅうとかも、すごくおいしくて。食べましたか?」とチームメンバーに語りかけると、一同からは「いただきました。すごくおいしかったです」と好反応。ところが、ここで藤井竜王・名人は半分以上なくなっている八丁味噌まんじゅうの箱に視線を送りながら「すごく減っていますね…」とポツリとつぶやいた。
すかさず杉本八段が「ずっと対局していて食べる時間がなかったと思いますが、よかったら1個どうですか?」と差し出したが、出番直前ということもあり「あ、私は後で」。それでも「タイトル戦の時に愛知の対局で用意していただいて、すごくおいしかったです」とフォローも忘れなかった。視聴者には「すごく減っていますね…」とボヤいた藤井竜王・名人の反応がコミカルに伝わったようで「すごい減ってます笑笑」「聡ちゃんお土産お持ち帰り」「八丁味噌まんじゅうってすごいな」といった反響が続出していた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)