将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が7・8の両日に行われた第73期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局で挑戦者の菅井竜也八段(31)に勝利し、シリーズ4勝0敗で王将3連覇を達成した。この防衛により、大山康晴十五世名人を超すタイトル戦20連勝の新記録を樹立。9日に都内で行われた一夜明け会見では、「収穫のあったシリーズだった」と晴れやかな笑顔を見せた。
20連勝を模したバルーン付きの王将飾り駒を手にした藤井竜王・名人は、ニッコリ笑顔で撮影に対応。前日までの鋭い表情とは一変、防衛と大記録達成の喜びを表情に現した。
今期の王将戦七番勝負は、振り飛車党のエース・菅井八段を挑戦者に迎えたシリーズに。両者は前年の叡王戦五番勝負でも対戦があったものの、持ち時間8時間の2日制での対戦は初。「対抗形の将棋というのは相居飛車と比べて中盤戦の押したり引いたりというところが長い展開になりやすいので、そういった局面でじっくり読みを入れて指していくことができた。その点収穫のあったシリーズだった」と総括した。
1月の開幕から無傷の4連勝で防衛3連覇を達成。決着局となった第4局については、「お互いに序盤から馬を作り合う形になって、非常に判断が難しい局面が多かった。特に封じ手の飛車交換をしたあたりの局面をどう見るかというのが考えていても非常に難しく、大きなポイントでもあった」と振り返っていた。
藤井竜王・名人は現在、年度内最後の防衛戦となる棋王戦五番勝負にも臨んでいる。こちらは同学年の伊藤匠七段(21)とタイプの異なる挑戦者を迎えている。第1局は持将棋(引き分け)となり、先勝のゆくえは2月24日に石川県金沢市で行われる第2局へ。「王将戦と比べると(持ち時間は)だいぶ短いので、その点も意識して決断よく指していく必要がある」と次なる戦いに向けて気を引き締めていた。
(ABEMA NEWS)