どうしてこの男のアガリは、こんなにも胸を熱くさせるのか。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」2月12日の第1試合はTEAM雷電・萩原聖人（連盟）がトップ。4着目で迎えたオーラス、一撃でトップに立つ大逆転弾を決めた。Mリーグのアイコンでもある男のドラマティックな勝利に、チームのファンはもちろん、多くの視聴者が熱狂した。
【映像】劇的大逆転！萩原聖人、約9万点分の価値があるツモのシーン
この試合は東家からBEAST Japanext・菅原千瑛（連盟）、萩原、渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）の並びで開始。序盤から試合は劣勢そのものだった。南1局まで5局連続で失点、放銃はないものの、ライバルのアガリに点棒は流れ続けていた。挽回のチャンスが訪れたのは南1局1本場だ。カン4筒待ちの一盃口・ドラ2をテンパイ。ドラ表示牌待ちという苦しさからダマテンを選択した。内川がリーチ、菅原も追っかけると場は沸騰。ここで萩原はゆっくりと4筒を引き寄せ、ツモ・一盃口・ドラ2の8000点（＋300点）を手に入れた。視聴者は「ハギー最高や」「根っからのスター」「ハギー今期はマジで行けるで！！！」と大いに盛り上がった。
しかしこの一撃でも、劣勢は続く。内川が連続してアガリを決め、オーラスを迎えて萩原は4着目。トップの菅原まで8600点差だ。先に菅原がテンパイ。萩原は当たり牌の七万を重ね、カン6筒で勝負のリーチに出た。山には4枚丸生きだ。内川もリーチをかけてきたが、スターは舞台を譲らなかった。6筒を力強くツモ。リーチ・ツモ・タンヤオ・赤の8000点の大逆転弾が決まり、子の役満3回分、約9万点分の価値がある今期5勝目とした。
試合後の萩原は「逆転トップ、疲れました」と疲労困憊。「監督がね、大きくプラスになってなくても、内容をすごく評価してくれて、僕を軸にローテーションを組んでくれている。本当に結果を出したかったんですよね。まだまだ試合は続きますけど、今日は素直に嬉しいです」とチームの期待に応えられた喜びに、目頭も熱くなっていた。
「俺がラス、内川君がトップという空気の感じだった」とオーラスを振り返り、またオーラスの逆転弾、6筒が訪れた瞬間については「これは、やっと俺の右手が、当たり牌じゃなく、アガリ牌を持ってきてくれた。（右手を）噛みたかった。ありがとう、今日はありがとうな」とその手を優しく叩いた。最後に萩原は「自分のチームのマイナスがなくならない限りは、上はなかなか目指せない。4人とも共通認識で、とにかく上を目指して頑張るというつもりでやっているので、今日は良かったです、本当に良かった」と、改めて喜びを噛み締めた。
萩原のアガリがファンの胸を打つのは、何よりも萩原自身が麻雀への熱を隠さず戦うからだろう。視聴者からは最後まで「歓喜です！」「かっこよすぎるぜ」「めちゃくちゃうれしい」「雷電ほんといいチーム」と賛辞が寄せられていた。
【第1試合結果】
1着 TEAM雷電・萩原聖人（連盟）2万9800点／＋49.8
2着 BEAST Japanext・菅原千瑛（連盟）2万7400点／＋7.4
3着 渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）2万6200点／▲13.8
4着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）1万6600点／▲43.4
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
