まさかの大声&リアクションに、ファンも大盛り上がりとなった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ1回戦・第2試合、関東B 対 九州が2月10日に放送された。優雅な身のこなしから“貴族”の愛称を持つ佐藤天彦九段(36)だが、仲間の敗着に自分事のように「いやー!痛ーい!」と絶叫&悶絶。普段はなかなか見られない表情に、視聴者も「すごい声でたw」「ナイスリアクション」と大興奮の様子だった。
佐藤九段と言えば名人3期とトップ棋士としての実力はもちろん、高尚な趣味を持ち棋界のファッショニスタとしても知られ、優美な身のこなしから“貴族”とも呼ばれている。本大会では、出身地の福岡市を代表してチーム九州入り。主力の一角を担い、仲間で後輩たちの戦いぶりを優しく見守っていた。
一進一退の攻防戦は、仲間の古賀悠聖五段(23)、佐々木大地七段(28)の奮闘でチーム勝利まであと1勝に迫っていたものの、関東Bの伊藤匠七段(21)が踏ん張り第8局へ。ここで決める、と出陣したのが都成竜馬七段(34)だった。都成流の珍しい立ち上がりとなった一局は、乱戦から膠着状態が続き千日手が成立。先後を入れ替えた指し直し局では、都成七段が先手で中飛車を採用した。
後手ペースで進行した一局は、終盤で盤上を制圧するべく△5五角と打ち込んだ伊藤七段に対し、都成七段は時間に追われるように迷った手つきで▲3七銀!これに作戦会議室の佐藤九段が「いやー!痛ーい!」と大声をあげ、身をよじらせ悶絶した。いつもの優雅な身のこなしとかけ離れた大リアクションに、ファンはビックリ。「ピコの叫びwww」「ピコ悶絶ww」「もう ぴこ 大好きw」「すごい声でたw」「ナイスリアクション」「一瞬で形勢わかるんだなw」「いたたたた」と多くの反響が寄せられた。
対局は、さらに△3七桂成からの鋭い攻めを許し、都成七段が手痛い黒星。対局はフルセットへと持ち込まれることになった。しかし、この敗戦により九州男児の闘志に火がついた佐藤九段が最終局を決め切り勝利。地域を背負って臨んだからこそ掴んだ、見事なチーム勝利だった。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)