都会の喧騒を離れ、大自然の中で過ごす日常。気兼ねなく自分の好きを追求できる一方で、中には生活スタイルが合わずに諦める人もいる。『ABEMA Prime』では、山暮らしの魅力とその難しさについて、俳優の東出昌大と話し合った。
■千葉の土地を50坪50万円で購入 収入はYouTubeで「不便は感じない」
3年前、北海道から千葉の山中に引っ越したかずひろさん(34)。車が一台通るのがやっとという山道の先にあるのが、50坪(165平方メートル)の土地と小屋だ。土地は約50万円で購入したという。
電気は通っているが、ソーラーパネルでほぼ自給。水は雨水をろ過して食器洗いに使うほか、ボイラーでお湯を沸かして風呂に入っている。飲み水は近くのスーパーで無料で汲むことができるそうで、電気ガス水道代はほぼタダだ。
「実家に住む選択肢はあるが、永遠に続くわけではない。いつか自立しなければいけない時の知識として、家を建てられる能力やサバイバルの力をつけようと始めた」
仕事部屋にはパソコンがあり、エアコンも整備。ただ食事については自給はしておらず、「冷凍食品や焼きそばなど、スーパーで買っている。前に野菜を作ったこともあったけど、すごく大変で、その手間をかけるよりも買ったほうが全然安い。完全に自給自足をしたい訳ではなくて、自分の好きなように暮らせればいいと思っている」。
過去には会社員として働いていたという。「数社ほど経験したが、人から指示されて働くのがあまり得意ではなかった。自分のやりたいこと以外は、ストレスがかかってしまうので、好きなことだけで生きていきたいと思った。なるべく生活費がかからないようにと思って、実践している途中。1カ月の生活費はほとんどが食費で、4万円ぐらい」。一方で稼ぎは、YouTubeの生配信だ。山での生活をほぼ毎日、長い時には10時間以上もライブで流し、1カ月に約10万円の収益があるという。貯金もできていると話す。
今の生活に不便を感じないのか。「今のところ特にない。目覚ましをかけないで寝て、自然と目が覚める生活が一番幸せ。ただ、一生と決めているわけではなく、やりたい時までやろうと考えている」と語った。
■3年で諦めた猟師も「山で稼ぐ方法が見出せなかった」
一方、山暮らしをやめ、今は猟師と工場勤務のダブルワークをしている歌川雄大さん。2020年、愛知で山暮らしを開始するが、それが理由の1つとなり離婚。2023年、ジビエ販売を開始するも、山が拠点では商売が成立しなかったため、小屋を売却して市街地へ引っ越した。
「山が嫌で止めたわけじゃない。山で稼ぐ方法が自分には見出せなかった。やはり、最低限の収入がないと暮らしていくことは難しい。今の楽しみより、長期的に持続するのは難しいと考えて離脱した。ただ、完全に止めたわけではなく、山に近い市街地に住んでいるし、今も狩猟も続けている」
歌川さんが難しいと感じたのは、水源や交通アクセスなどのインフラ問題。また生活面では炊事や風呂、洗濯に時間を取られること、金銭面では木材の高騰など予想外の出費があること、人間関係では気軽な友人付き合いができないことだった。
「40分もかけて湧き水を汲みに行く生活をしていたが、1年が限界だった。残りの2年は水のある生活を求めて、ポツンと一軒家みたいなところに住み、狩猟をやっていた。やはり“自然で何かをやりたい”という芯を持っている人が向いてる。山には癒しがある一方で、試練の場でもある。虫なんかは可愛いもので、慣れてくると掃除もしなくなる。ちょっと悩んでいる方や生き甲斐をなくした方は合うと思う」
■ひろゆき「お金がないと生活できない」
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は、山暮らしについて「過疎化と一緒で、住む分には楽しいけど、仕事やお金がないから生活できないということが、山でも起きている。一方で、YouTuberは暮らしながらそれでお金も稼げる。東出さんも山では稼いでなくて、たまに東京に来てこういう番組に出ているわけだ」と話す。
東出は「家の裏手に古い石垣があり、その上には古民家があったらしい。昔の人は巨石を切り出し、畚(もっこ)で担いで石垣を作って、ノコギリで切り出した木材で家を組んだ。そんな風にして、暮らしていたわけだ。それと比べると、今は車もあればチェーンソーもあり、意外と便利。だからこの時代に山暮らしを勧める。だけど、お金を持っていないとそれらは買えないので、稼ぐ手段は用意しておかないといけない」と述べた。
(『ABEMAPrime』より)
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