将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第2局が2月24日、石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われ、藤井聡太棋王(竜王、名人、王位、叡王、王座、王将、棋聖、21)が伊藤匠七段(21)に勝利した。この結果、藤井棋王のシリーズ成績は1勝0敗1分に。初防衛に向けて、大事な“初白星”を手にした。次戦、第3局は3月3日、新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」で行われる。
藤井棋王が初防衛に向けて、最初の白星を手にした。今月4日に行われた第1局は、挑戦者の伊藤七段が後手番での予定だったという作戦で持将棋が成立。両者ともに白星黒星は付かず、「1分け」となった。仕切り直しとなった第2局は、伊藤七段の先手で角換わりの出だしに。互いに得意の戦型とあり早いペースで指し進められ、午前中のうちに終盤戦へと突入した。
形勢互角の状態で、激しいねじり合いへ。互いに勝負所では1時間以上の長考を重ねた繊細な戦いが繰り広げられた。ともに玉頭で戦いが起こっているとあり、張り詰めた空気の中で激戦へもつれ込むと、抜け出したのは藤井棋王。薄かった後手陣をみるみる再構築し、角を繰り出し攻めに活用する決断から一気に先手陣にプレッシャーをかけていった。
藤井棋王の厳しい攻めに耐え、どこから反撃を繰り出すか注目を集めていた伊藤七段だったが、絶対王者の猛攻は止まらない。隙無しだったはずの先手陣を攻略すると、瞬く間に寄せ切って勝利を手にした。
勝利した藤井棋王は、「攻め込まれてこちらの玉が薄い形が続いて、寄せ切られないようにどう指していけばいいかが難しい一局だった。途中、竜をとったあたりから指しやすくなったのかなと感じています」とコメント。一方、黒星を喫した伊藤七段は「本局は午前中にこちらに誤算があり、攻めが細い展開になってしまった。角を打ち込まれたところが急所で、こちらが指し手に困り厳しい展開になってしまった」と語った。
この結果、藤井棋王のシリーズ成績は1勝0敗1分に。初防衛に向けて大きな1勝を手にした。次戦、3月3日に新潟県新潟市で予定されている第3局ではさらにリードを広げるか、挑戦者が追いつくか。両者の戦いからますます目が離せない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)