やっと手にしたトップの味は、格別だったはずだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」3月1日の第2試合はEX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)が自身13戦ぶりとなるトップで個人3勝目。今期もポイントゲッターとして期待された男がまさかの逆噴射。年が明けても不調にあえいでいたが、それにもようやく終止符が打たれた。セミファイナル進出争いに欠かせないパズルのピースが揃い、ファンも喜びの声を上げた。
試合は起家から松ヶ瀬、KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)の並びでスタート。試合は松本、小林がそれぞれ満貫をアガり先行。松ヶ瀬に反撃のチャンスが訪れたのは東4局だ。終盤に6・9筒待ちのテンパイ、9筒ならば789の三色同順が完成する大物手。「なんとなく9筒でアガれる気がした」という松ヶ瀬は、太い腕でド高目を引き寄せ、リーチ・ツモ・平和・三色同順・ドラの1万2000点をゲット。トップの予感にファンからは「かいしんの いちげき!」「久々に良い上がりきた」「ふっかつののろし!」「松ヶ瀬これよ、これ!」と次々に歓声が上がった。
その後も松本、小林との接戦は続いた。南2局、松ヶ瀬は3巡目にペン3索待ちで先制リーチ。これを堀からアガりリーチ・一気通貫・ドラ・裏ドラの8000点が完成だ。南4局、小林に放銃し松ヶ瀬は2着目へ後退。しかしこの正念場、松ヶ瀬の手は落ちなかった。同1本場、6巡目に4・5索待ちの変則二面張でリーチ。これを松本からロン、リーチだけのアガリだがトップ逆転となる1300点(+300点)が決まった。
試合後は「長かったですね、うれしいです」とまず一言。喜びからか目は充血、声を絞り出すように語り、松ヶ瀬は長いトンネルからの脱出を喜んだ。「これだけ手が入った時に、トップが取れないというのが最悪なので、最後まで歯を食いしばって行ってみたら、最後の最後で良いことがありました。誰が来ても簡単に勝たせてもらえる試合などないので、このぐらいがちょうどいい」と激戦の疲れも心地良さそうだった。
これでチームは7位浮上。「もうちょっとでボーダーのところまで見えてくる」と手応えも。ボーダー上の争いは1日ごとに大きく戦況が変わる。松ヶ瀬は最後に「ここからは1日1トップを取っていけば、セミファイナルに残れるんじゃないかと思っています。それを目標に頑張っていきたい」と語り、力強くガッツポーズを決めた。今期はとことんアガリに見放され、個人成績はまさかの最下位。ねだらず自ら勝ち取ったこの白星は、何よりも大きなチーム反撃の狼煙となるはずだ。
【第2試合結果】
1着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)3万4400点/+54.4
2着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)3万4000点/+14.0
3着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)2万8100点/▲11.9
4着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)3500点/▲56.5
【3月1日終了時点での成績】
1位 赤坂ドリブンズ +527.9(82/96)
2位 U-NEXT Pirates +515.4(82/96)
3位 KADOKAWAサクラナイツ +188.8(82/96)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +136.7(80/96)
5位 渋谷ABEMAS +66.0(82/96)
6位 セガサミーフェニックス ▲305.2(82/96)
7位 EX風林火山 ▲364.0(82/96)
8位 TEAM雷電 ▲365.1(82/96)
9位 BEAST Japanext ▲400.5(82/96)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)