将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第3局が3月3日、新潟市の「新潟グランドホテル」で行われ、藤井聡太棋王（竜王、名人、王位、叡王、王座、王将、棋聖、21）が伊藤匠七段（21）に105手で勝利した。この結果、藤井棋王のシリーズ成績は2勝0敗1持将棋となり、初防衛にあと1勝とした。次戦、第4局は3月17日に栃木県日光市の「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われる。
藤井棋王が防衛に向けて、着実に一歩を進めた。本局は藤井棋王の先手番で、シリーズ3度目の角換わりに。先手から軽快に動いて仕掛けていった。やや見慣れない形へ進行したとあり、伊藤七段は持ち時間をたっぷり使って慎重に対応。じりじりとした中盤戦で後手は選択が難しい中、伊藤七段は冷静に陣形を整備して形勢を押し戻した。
しかし本格的な戦いが始まると、藤井棋王はギアチェンジ。後手陣に向かって強く進行をかけて流れを引き寄せた。苦境に立たされた伊藤七段は辛抱の中で入玉含みの構想を見せたが、藤井棋王は正確な指し手を重ねて対応。伊藤七段に粘りを許さず、鋭く寄せ切って勝利を手にした。
勝利した藤井棋王は「序盤は早めに動いていく形を選んだが、その後いったん局面が落ち着くような形になった。そこでどういう方針を立てるか悩んだが、よくわからなかったのでそのあたりが難しい将棋だった」とコメント。一方、敗れた伊藤七段は「序盤から前例の少ない将棋になり、時間を使った。こちらが馬を作って自陣に引いていく展開になったが、その馬が目標になってしまい、終始自信のない将棋だった」と一局を振り返った。
この結果、藤井棋王のシリーズ成績を2勝0敗1持将棋とし、初防衛にあと1勝に迫った。藤井棋王はあと1勝で初防衛が決まるが、「そのこと自体は意識せず良い状態で臨めるように次局に向けて調整したい」。後が無くなった伊藤七段は「一局でも多く指せるように頑張りたい」と意気込みを語った。次戦、第4局は3月17日に栃木県日光市で予定。終盤戦に突入するシリーズにますます注目が集まることとなる。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
