来年春に卒業する大学生などを対象にした企業の説明会が解禁され、就職活動が本格的に始まった。
人手不足を背景に人材を確保したい企業が増える一方で新卒の人数は減っている。就職情報サービス大手「マイナビ」の調査では、およそ8割の企業が採用活動は厳しくなると見込んでいる。
今年から一定の条件を満たせば企業もインターンシップで得た情報を選考に活かせることになり、人材の獲得競争は今後さらに激しくなるとみられている。
一方で、新社会人らは就職した会社のその先を見据えているという情報もある。転職サービス「doda」による毎年4月の登録者数の調査によると、2023年4月に転職サービスに登録した新社会人は過去最多だということで、2011年と比べると約30倍に増えている。
社会人向けの学習コンテンツを提供するSchoo エバンジェリストの滝川麻衣子氏は、学生などと意見交換する中で見えてきた彼らの労働観について「1社目の会社にそのままずっと働き続けるイメージを持っている方は減ってきており、就活中に転職サイトに登録している方もいるほどだ。1社目の経歴はその人にとっての肩書となり、次の転職先を選ぶときに有利になることもあるため、ブランドを手に入れるための就活になっているという側面もある。その観点では1社目として大企業やコンサルが人気だ」と語った。
若者たちの不安はどこにあるのだろうか。
「今の新卒世代は、必死に一つの会社で働いてきた40代・50代がリストラされる姿を見ており、『今の会社にずっといたかったとしてもいられるとは限らない』と知っているのだろう」
学生らに話を聞く中で滝川氏が衝撃を受けたのが、「大企業ベーシックインカム」という発想だという。
「若者は自分の市場価値が上がっていくことが一番の関心事。すべてこの後のキャリアアップありきで、1社目で働く中で自分が成長できていないかもしれないと思えば、副業などで自分の経験を積む。『大企業ベーシックインカム』とは、ホワイトな大企業でしっかりと給料をもらいながら、早く帰宅して空いている時間に副業をしたり、スキルアップのために別の仕事をしたりすることで、実践したいという人も少なくない」
(『ABEMAヒルズ』より)
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