2月22日、日経平均株価が3万9098円をつけ史上最高値を更新した。そんな中、春闘の交渉が本格化。東京商工リサーチの調べによると、賃上げ予定の企業が過去最高になっている。自動車業界では、ホンダの労働組合がベースアップ1万3500円を含む2万円、マツダは1万6000円の賃上げに対し満額回答となった。
賃上げを実施すると回答した大企業(資本金1億円以上)は93.1%。中小企業(資本金1億円未満)は84.9%が賃上げを実施すると回答した。全体では、85.6%が賃上げを予定しており、2016年の調査開始以来“過去最高”となる。なお、今年の春闘の集中回答日は3月13日で、経営側と組合側の交渉はまだ続いている。
Trusted CEOでグローバルなビジネスコラボレーションを促進している、連続起業家のファリザ・アビドヴァ氏は、今の日本経済をどう捉えているのだろうか。
━━賃上げ予定の企業が多く増えている状況をどう見る?
「日本円が安くなることで株が売られ、大企業の中で資金が集まってきているのは非常にいいことだ。とはいえ、日本の給料は安く、ヨーロッパでは日本の3倍を払わないと雇用できない状況が続いている。一方で、せっかく資金が集まってきているので、大企業が持っている技術やリソースを使って新しい業界に入るか、新しいビジネスを作るために投資しないと、このトレンドが一時的になってしまうリスクもある」(ファリザ氏、以下同)
「私たちは大企業の新規事業でイノベーションチームとビジネスを作っているが、予算も人も足りない。ほとんどの大企業のリソースは既存の事業に集中してしまう傾向があるので、これからもビジネスをキープしていくためには、新しい収入源を作るという意味でも投資して、バランスよくサスティナブルに使うことがとても大事だ」
「失われた30年」と言われ長い不況が続く日本だが、今回の春闘で多くの企業が賃上げを表明し、ようやく日本経済が元気になる兆しと言えるのだろうか。
「マーケットが変わり他のグローバル企業との競争が激しくなっていくなかで、社員1人1人もリスキリングをしてプロダクティビティ(生産性)を上げ、みんな一緒になって既存ビジネスの競争力を高めると共に、新しいビジネスを考えてほしい」
━━日本の場合は“会社ごと”という考えがあったが、今の日本経済で大事なのは?
「個人がいかにスキルを高めていくかが重要になる。日本は他の国に比べて一番、企業研修を多く提供している方だと思うが、それだけを待たずに1人1人が個人のスキルを2つ3つ持って生産性を上げていくことがとても大事だ」
(『ABEMAヒルズ』より)
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