絶対王者の笑いのツボに、視聴者も興味津々だった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選B戦リーグ1位決定戦、中部 対 九州が3月9日に放送された。第1局はチーム中部から八代弥七段(30)が先発したが、作戦会議室の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)は仲間の“優雅すぎる”着手に大ウケの様子。この表情には、視聴者からも「楽しそうた」「ニコニコ聡太かわええ」と多くのコメントが寄せられていた。
本戦進出を決める注目の対決。第1局は静岡県出身の八代七段と、チーム九州で長崎県出身の佐々木大地七段(28)が激突した。八代七段は第2回AbemaTVトーナメントでフィッシャールールは経験しているものの、地域対抗戦での対局は初。「トップバッターなので流れを作りたい」と語り、強敵との対戦へ向かった。
スッスッ、とフィッシャー用に素早く駒を動かし持ち時間を貯めていく先手の佐々木七段に対し、八代七段は長時間の公式戦さながらに丁寧に駒運び。駒音をほとんど立てず、ゆったり優雅に指すことも八代七段の特徴と言われているが、作戦会議室で対局モニターを凝視していた杉本昌隆監督(55)は「(八代七段の表情に)気合を感じるけど、慎重な指し回しに見える…」とやや心配そうな表情を見せていた。隣に座る藤井竜王・名人は、この優雅な手つきがツボにはまったのか、「フフフフ!さすがですね、落ち着きが」と笑いが止まらない様子だった。
さらに豊島将之九段(33)も会話に加わると「(早指し棋戦の)銀河戦の時も、ゆっくり指す方だな~と思ったんです。フィッシャーでも変わらないんですね」。藤井竜王・名人は豊島九段からの追加情報に「そうですか~(笑)」とし、さらに表情を緩めていた。
八冠王の意外な笑いのポイントに、ファンも興味深々。「聡太きゃわわ」「わろてるww」「いじってる」「楽しそうた」「ニコニコ聡太かわええ」「とよぴもたのしそう」「楽しそうで何より」など多くのコメントが殺到していた。
相掛かりの一局は、空中戦から佐々木七段が先攻する戦いに。八代七段も丁寧な受けから応戦したが、中終盤の佐々木七段の勢いが勝り79手で勝利。敗れた八代七段は「中終盤で読みにない手を指されてポッキリ折れてしまった。あっという間に時間が過ぎてしまって、悔しい思いでいっぱい」とコメントしていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)