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【映像】藤井竜王・名人、投了を覚悟した状況から大逆転の瞬間

 さしもの八冠も、大劣勢に負けを覚悟していた。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Bリーグ1位決定戦、中部 対 九州が3月9日に放送された。試合は中部がスコア1-4とカド番の状態から、藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が怒涛の巻き返しで4連勝を果たして逆転勝利。本戦進出を決めた。ただ、第7局の深浦康市九段(52)戦は、瞬間的に藤井玉に詰みが生じたのではというほど敗色濃厚に。試合後には「いつ投了しようかと…」と、絶望的な状況だったと振り返った。

【映像】藤井竜王・名人、投了を覚悟した状況から大逆転の瞬間

 公式戦では通算勝率が8割を超え、将棋界8つのタイトルを全て独占している藤井竜王・名人。時に“将棋星人”と呼ばれるほどの強さを誇るが、公式戦で負け越している数少ない棋士の一人が、“地球代表”の異名も持つ深浦九段(52)だ。対戦成績は藤井竜王・名人の1勝3敗。もはや将棋の世界では地球征服を果たした感のある藤井竜王・名人に対して、抵抗しうる地球最後の切り札というファンの期待も乗っかっているのが深浦九段だ。

 注目の一局は深浦九段の先手番から相雁木でスタート。互角の序盤から中盤へと移行し、少し藤井竜王・名人がポイントを稼いだかに見えたところもあったが、指し進めるごとにじりじりと深浦九段のペースに。激しく駒がぶつかり合ったあたりから、深浦九段の粘りと華麗な技が決まり、はっきりと形勢が傾いた。

 最終盤は、勝勢と敗勢が入り乱れるような大熱戦に。勝勢の深浦九段に対し、藤井竜王・名人がなんとか状況を打開しようと、わずかな持ち時間の中でひたすら王手ラッシュ。勝ちを意識した深浦九段も、なんとか振り切ろうと自分の顔を強くパチンと叩きながら正着を探したが、最後の最後のところで藤井竜王・名人に攻防手が炸裂し勝負あり。“将棋星人”が激闘を制することになった。

 まさに九死に一生を得たような勝利に、藤井竜王・名人は対局直後「途中からどうしようもないぐらい苦しくなってしまって…。時間がない中で指しているうちに、たまたま勝ちが最後転がり込んできた」と本音を告白。仲間が待つ控室に戻ると、さらに「失礼しました。いつ投了しようかと…」と、苦笑していた。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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