将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が、NHK杯トーナメントの決勝で佐々木勇気八段(29)に敗れ、連覇を逃した。この結果、藤井竜王・名人の年度勝率は0.849(45勝8敗1持将棋)に。中原誠十六世名人(76)が保持している歴代最高勝率0.855(47勝8敗)の更新は来年度以降に持ち越されることになった。
【中継】藤井棋王VS伊藤七段 注目の棋王戦第4局(生中継中)
藤井竜王・名人は、第67回(2017年度)に最年少の14歳で初出場。昨年、6回目の出場で念願の優勝杯を手にした。2年連続同カードとなった佐々木八段との決勝戦は角換わりの出だしから、先手の佐々木八段の気迫あふれる指し回しに圧倒され169手で投了。藤井竜王・名人は連覇を逃す結果となった。
前年のリベンジを果たし見事初優勝を飾った佐々木八段は、これまでの棋戦優勝は若手を対象とした加古川青流戦の1回(2013年)だったとあり、全棋士参加の一般棋戦初制覇の喜びを噛みしめていた。
藤井竜王・名人は、現在「第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負」の第4局で伊藤匠七段(21)と対戦中。シリーズ成績を2勝1持将棋としており、本局で初防衛を決めるか大注目が集まっている。
なお、年間の史上最高勝率更新に期待が寄せられていた藤井竜王・名人だったが、NHK杯の結果で2023年度成績は0.849(45勝8敗1持将棋)に。棋王戦第4局を制した場合0.852となるが、中原十六世名人が1967年にマークした歴代最高勝率の0.855(47勝8敗)には及ばないため、記録の更新は来年度以降に持ち越されることとなった。
NHK杯は、持ち時間10分・切れたら1手30秒未満、考慮時間各10分の早指し棋戦で今期で73回目の開催と長い歴史を誇る。過去の最多優勝は11回の羽生善治九段(53)で、通算10回目の優勝時に名誉NHK杯選手権者の称号が贈られている。
(資料提供:日本放送協会)