【写真・画像】 1枚目
【映像】へとへとの羽生九段

 百戦錬磨のレジェンドでも、連投連勝の疲労は隠せなかった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ2位決定戦、北海道・東北 対 関東Aが3月16日に放送された。両軍1勝1敗で迎えた第3局から登場した関東A監督の羽生善治九段(53)は、圧巻の4連勝でチームの予選突破をけん引。見事な結果にも「くたびれました…」とヘトヘト顔を見せると、ファンからは労いと祝福のコメントが押し寄せていた。

【映像】へとへとの羽生九段

 手厚いメンバーから、優勝候補にも挙げられている関東A。激戦が繰り広げられている予選Aリーグでは、谷川浩司十七世名人(61)率いる関西Aに勝利したが、山崎隆之八段(43)が監督を務める中国・四国にはフルセットで敗戦、予選突破をかけた2位決定戦で北海道・東北と激突した。チームの勝ち頭となっているのが、監督兼プレーヤーの羽生九段だ。初戦となった関西Aとの戦いでは、佐々木勇気八段(29)が先勝を飾ったものの第2局で敗戦。第3局で羽生九段が登場すると、怒涛の4連投4連勝でチーム勝利を決めてみせた。

 北海道・東北との一戦は、その初戦を彷彿とさせるような内容に。佐々木八段の1勝1敗で迎えた第3局で羽生九段に出番が回ると、北海道・東北の戸辺誠七段(37)、野月浩貴八段(50)、小山怜央四段(30)、最後は棋士チェンジで登場した広瀬章人九段(37)を次々に破り、ここでも白星の山を築いてみせた。

 ひとつ違いがあったとすれば、羽生九段の疲労度か。粘り強い指し回しを見せた北海道・東北との戦いは、どの対局も超手数の大熱戦に。それぞれ棋風、キャリア、キャラクターの全く異なる強敵が相手とあり、レジェンド羽生九段をもってしても決して簡単に勝利を飾った訳ではない。「どれも厳しい戦いだった」と険しい表情を見せ、激闘を振り返っていた。決着局となった第6局の羽生九段VS広瀬九段戦終局後には、「ふ~」と大きく息をついて天を仰ぐ様子も。インタビューでは息も切れ切れに「くたびれました…。本当に大変でしたけど、何とか前に進めて本当に良かったです」と語り、へとへと顔で激戦の疲労をにじませた。

 日本将棋連盟会長に就任した羽生九段の構想により誕生した本大会。勝てば連投というルールに自ら飛び込み結果を残したが、この様子にファンからはコメントが殺到。「お疲れ様でした!」「いやすげー」「鬼だわ」「体力切れた」「めっちゃ疲れてる」「そら疲れるよ」「羽生さんぐったりや」「鬼すぎる」「くたびれましたで全勝かよ」など、勝利を喜ぶととともに、監督・羽生九段への労いの声が目立っていた。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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