将棋の藤井聡太棋王(竜王、名人、王位、叡王、王座、王将、棋聖、21)が3月17日、栃木県日光市の「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われた第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局で挑戦者の伊藤匠七段(21)に勝利し、3勝0敗1分で初防衛を決めた。終局後に行われた記者会見では、決着局の構想について笑顔で語る場面もあった。
同学年の伊藤七段を挑戦者に迎え、初防衛に挑んだ藤井棋王。開幕局は、藤井棋王にとって公式戦で初経験となった持将棋が成立するなど、波乱の出だしとなった。第2、3局は両者得意の角換わりで激突。最新形の難度の高い将棋となったが、藤井棋王が華麗に寄せ切り連勝を飾った。
第4局は、後が無くなった伊藤七段は先手で角換わりに誘導したものの、藤井棋王が拒んで相掛かり模様の力戦の出だしに。前例の少ない展開は、村田顕弘六段(37)が考案した「村田システム」と類似する作戦だった。村田システムは角道を開けずに相手の出方次第で自在に対応することができる戦法で、前期の王座戦挑戦者決定戦で藤井棋王に追い詰めたことで一気にその知名度を上げた。
終局後の防衛会見で村田システムの類型である「豊島将之流・村田システム」について質問されると、藤井棋王は思わず笑顔に。「戦法の定義自体は詳しく知らないんですけど、村田六段や豊島九段が指されていて、私自身も指すにあたってそこを参考にしたところもありました」と明かした。
この質疑の様子に、ファンも興味津々。「あえて使ったのか」「楽しそうに答えてる」「へ~」「あっきーよかったね!」「村田歓喜」「参考にしたんだー」と改めて“村田システム”に注目が集まる展開となっていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)