決着は一瞬…死闘を制した佐々木勇気九段、会心の一撃に仲間が歓喜「いいぞー!待ってましたー!」/将棋・ABEMA地域対抗戦
【映像】仲間も拍手!佐々木勇気八段、会心の一手

 244手という超大熱戦にケリをつけたのは、瞬間的に飛び出した会心の一撃だった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」予選Aリーグ2位決定戦、北海道・東北 対 関東Aが3月16日に放送された。試合は関東Aが羽生善治九段(53)の4連勝もありスコア5-1で勝利、本戦出場を果たした。試合は第1局から超手数が飛び出す大熱戦に。どちらが勝ってもおかしくない最終盤で、気持ちのいい一手が飛び出した瞬間、棋士からは「待ってました―!」と歓喜の声が飛び出した。

【映像】仲間も拍手!佐々木勇気八段、会心の一手

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われている同大会。1局あたり約20分程度で終了するスピーディな展開が魅力だ。それでも200手を超える超手数ともなれば30分を超えることもあり、いつどこで決着がつくかわからないような泥仕合に突入することもある。

 第1局は北海道・東北が小山怜央四段(30)、関東Aが佐々木勇気八段(29)。同世代ながら小山四段はアマチュアから編入試験を受けてプロ入りを果たした苦労人、佐々木八段は10代からプロで活躍し現在は順位戦A級という、対照的な2人の対戦となった。角換わりから両者ともに腰掛け銀を選んで進んだ一局は、じっくりとした序盤戦から佐々木八段が攻め込んだものの、小山四段は玉をうまく浮かせてかわし、第1局から入玉模様に。解説を務めていた伊藤真吾六段(42)も「1局目から200手超え、ありますね。みなさん覚悟してください」と伝えていた。

 一度は入玉を果たした小山玉だが、佐々木八段の指し回しにより押し戻される展開に。形勢を示すABEMAのSHOGI AIでも佐々木八段の勝率を90%と示す局面もあったが、とはいえ最終盤ともなってしまえば、1手の違いで形勢もガラリと変わるもの。伊藤六段も「数字ほど簡単じゃないですよ」と、その難解さを説明していた。

 もはやいつどこで決定打が生まれるかわからないという雰囲気も漂っていた中、その瞬間はいきなり訪れた。関東Aの控室で木村一基九段(50)が「王手飛車、王手飛車」と大技が決まる展開を予想していると、解説・伊藤六段も「▲2一竜と取ると、すごい手がありますから」とこぼしていた。すると言葉通りに小山四段が▲2一竜。思わず伊藤六段が「あ、大丈夫か!?」と叫んだが、このチャンスを佐々木八段は逃さない。すかさず△6五角と打ち込んで、必殺の王手飛車を決めた。これには木村九段も「いいぞー!待ってましたー!」と大喜び。ファンからも「くらっちまったw」「かわいい」「おじおじ歓喜」「大興奮」というコメントが大量に押し寄せた。

 驚異的な粘りを見せていた小山四段も、さすがにこの大技を食らっては勝負あり。244手で投了し、大熱戦に終止符が打たれた。

◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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