【北中米ワールドカップ・アジア2次予選】日本代表 1-0 北朝鮮代表(3月21日/国立競技場)
日本代表のスプリント王が、圧倒的なスピードで何度か決定機を演出。FW前田大然が左サイドの新たな武器であることを証明する90分となった。
日本代表は3月21日、北中米ワールドカップ・アジア2次予選で北朝鮮代表と国立競技場で対戦。FW三笘薫が怪我の影響で招集外となったことで注目を集めた左ウイングには、豊富な運動量によるハードワークと爆発的なスピードを武器とする前田が起用された。
「ハードワークだけでもチームは助かるが、プラス何かを見せないといけないというのは、アジアカップが終わってから自分の課題だった」と口にする前田は、その言葉通りにハードワーク以外の部分でもチームに貢献する。
51分には、同サイドで縦関係を築くDF伊藤洋輝の縦パスに反応。やや長いかと思われたボールだったが、競り合った相手を引き剥がす弾丸のようなスピードで追いつくと、そこからダイレクトでグラウンダーのクロスを供給してFW上田綺世のシュートを引き出す。ハードワークの守備だけでなく、ドリブルやパスなどを駆使して左サイドで何度も起点となった。
ちなみに、前田といえば、長くスキンヘッドがトレードマークだったが、今回の代表戦では少し髪が伸びた坊主姿で登場。さらに前日練習では突如、金髪にイメチェンしていた。
「試合に勝たないと話せないなと思ってました(笑)。黒髪だと遠目から見たらわかんないんで。金髪にするとやっぱり違和感ないですよ。この髪だと坊主みたいで子供たちはやっぱり見つけやすいと思うので」と金髪になった理由を説明。愛娘のためを思ったイメージチェンジであることを明かした。
振り返ると、スキンヘッドから坊主に“成長”して迎えたスコティッシュカップ準決勝のリヴィングストン戦(3月10日)では、ハットトリックを達成。金髪へとさらなる“進化”を遂げたなかで迎えた今回の北朝鮮戦では、ゴールやアシストこそなかった十分なインパクトを与えた。イメージチェンジを経てモデルチェンジへ。前田大然の進化は続く。
取材・文:川嶋正隆