3月23日(土)神戸ワールド記念ホールにて「RIZIN LANDMARK09」が行われ、RENAが韓国のシン・ユリに判定勝利。約18カ月ぶりの白星を挙げた。

 昨年4月の「RIZIN LANDMARK05」でクレア・ロペスと対戦したRENA。試合終盤まで有利に試合を進めていたものの、3R終了間際にヒザ十字を極められてまさかの一本負け。右膝外側側副靱帯の部分断裂をはじめ、右足の親指・人差し指・中指を骨折する重傷を負い、長期欠場を余儀なくされた。

 約11カ月ぶりとなる復帰戦は、地元・関西=神戸ワールド記念ホール。対戦相手のユリは第2代ROAD FC女子アトム級王者の肩書を持ち、長い手足から繰り出す打撃を武器とするストライカータイプの選手だ。

 RENAはジャブ・右ロー&カーフキックで先手を取り、リーチ差を感じさせない試合を展開。1Rにユリのヒジで左目尻をカットする場面もあったが、2Rはジャブ・右ロー&カーフに加え、三日月蹴りも織り交ぜて、右クロスのカウンターもヒットさせる。3Rにはユリのタックルを潰して、鉄槌とヒジ打ちを落とし、グラウンドでもユリを攻め込んで、見事に復帰戦を勝利で飾った。

 試合を振り返って「昔の動きを取り戻している感じがありました。(具体的には)普通に動けたというか、セコンドの声も聞こえましたし、いろいろと考えながら戦うこともできたので。前の試合より動けた自分を感じました」と語ったRENA。

 今回の復帰戦でRENAが自分を取り戻した大きな要因がストライカーのユリ対策として行った約1カ月間のタイ・タイガ―ムエタイでの合宿の成果だろう。

 2015年大晦日にシュートボクシング(立ち技)からMMAにチャレンジし、2017年10月以降はMMAに専念しているRENAは、シュートボクシング時代に比べると蹴りを使う頻度が少なくなっていた。MMAにおいてRENAのようなストライカーが蹴りを多用すると、蹴り足をキャッチされてテイクダウンされるリスクが大きいからだ。

 今回のタイ合宿ではタイ人トレーナーの指導のもと「とにかく蹴らされた」(RENA)が、原点回帰とも言える蹴りや打撃主体の練習によって以前の自分の動きを思い出すことができた。

 しかもタイガームエタイはMMAファイターが多く練習に訪れるジム(※同時期にはRIZINでのタイトルマッチを控える金原正徳や所英男らも合宿)でもあり、ムエタイがメインのジムながらMMA=テイクダウンありきのミット打ちを行っている。当初は2週間の予定だったタイ合宿を1カ月に延ばしたのも、現地での練習に手応えを感じたからだ。

 試合2日前のRIZIN公式インタビューでもRENAは「昔の動きが戻ったと実感しています」と語っており、ユリ戦に勝利したことで、その感覚は確信に変わったと言っていい。

 バックステージのインタビューでは現RIZINスーパー・アトム級王者の伊澤星花との対戦について質問され「今の今、次(で挑戦)は言えるレベルではない。もっと自分が強くなって、自分を取り戻してから挑戦したい」と答えたRENA。タイ修行で復活のきっかけを見つけ、試合で手応えを掴んだことは、RIZIN王座という目標に向かうRENAをさらに成長させるはずだ。

©︎RIZIN FF

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