キーワードを入力し、検索する「ググる」。便利なツールだが、オワコンになってしまうかもしれない。話題となっているのは、米ITコンサル会社・ガートナーが発表した予測だ。「2026年までに検索エンジンの使用量が25%減少し、AIにシェアを奪われるだろう」。
【映像】“ググる”終焉へ? 米コンサル会社が「検索25%減」予測
ChatGPTやGeminiなどの生成AIが続々と登場し、聞けば答えをくれる時代へと変化してきている。検索が生成AIに置き換わった世界、その時のコンテンツの価値とは。『ABEMA Prime』で考えた。
■生成AI時代、求められるのは専門性と経験?
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「ChatGPTは根拠となるURLを著作権の問題で出さないようになった。つまり、答えが正しいか判断できない。例えば、今営業しているラーメン屋を知りたい時、Googleマップはわりと正確なものを出すが、ChatGPTは時間軸が最新ではないので3年前の情報などを出してくる。検索エンジンはソースを見れば古いかどうか確認できるが、ChatGPTが出すテキストはそれ以上情報がない。今後チャットボットなどが出てきても、結局Googleには勝てない」との見方を示す。
全日本SEO協会代表理事の鈴木将司氏は「生成AIの答えは優等生的な模範解答。しかし、多くの人が求めるのは、専門家や尊敬している人などの多様な意見だろう。これからはそういったブランド、“誰がそれを言っているか”がすごく重要になると思う」と指摘。「企業はより自社のこと、商品・サービスを深掘りしたそこにしかない情報を増やす必要がある。どこでも見かけるような記事はもう役に立たないし、敵わないので、捨てていくしかない」と述べる。
これにひろゆき氏は「ChatGPTは正解を出すだけではなく、みんながそれっぽいと思うものを出す。例えば、川に桃が流れてくる時の音は“どんぶらこ”だと、統計上これだろうというものを出す。一部はそれを信じ、多くはきちんと正解を求める。あまり検索への影響はないのでは」と補足。
メンタリストのDaiGoは「ひろゆきさんの名言である、“嘘を嘘と見抜けない人はネットを使うのは難しい”ということだ。検索だろうとAIだろうと、使えない人は使えない」とした上で、「そもそもAIを検索の代わりに使う必要はない。最近、自分のAIを作っているが、喋り方や言葉尻を再現してくれる精度の高いClaudeなどを使っている。論文を調べた上で、“これをどう思うか?”とか、“この結果をダイエットに活かそうとしたらどうするか?”みたいに、話し相手として使うとすごくいい。検索に使うのはもったいない」との考えを述べた。
AIの弱点として鈴木氏は「経験ができないことと、専門家にはなれないこと。人間がこの社会で生きる余地はその2つを極めることだ」とした。
■AI進歩と知的保護の両立が課題、ネットの“稼ぎ方”は
政府のAI時代の知的財産権検討会の中間とりまとめ骨子によると、AI事業者には知的侵害の生成物を防止する技術の採用や契約によるデータ取得と対価還元など、権利者には労力・作風・声などの保護検討や学習されたくないデータの管理などを求めることで、AIの進歩と知的保護が両立するシステム実現を目指すという。
そうした中で、自社コンテンツの有料化は1つの道なのか。鈴木氏は「海外ではニューヨーク・タイムズ、日本では日経新聞が課金に成功している。人生に関わるような重大な情報、経済や法律、医学などはAIでは心もとない」と指摘。
ひろゆき氏はニュースメディアの立ち位置に言及。「ChatGPTに登録され、お金を払われていないメディアはどんどん需要がなくなり、寡占化が始まっていく気がする。一部のメディアが残ると、“あっちはもっと安くやってくれる”と買い叩くことができ、最後はプラットフォームが全部おいしいところを持っていく。スマホの売上の30%がアメリカの会社に持っていかれているが、ニュースメディア市場も同じコースなのではないか」との見方を示す。
また、インフルエンサー業界について、「YouTuberとして稼いでいる人はいっぱいいるが、YouTube側に切られたら終わりで、逆らえない。そうした人たちがChatGPTに掴まれてしまった場合も同じだ。プラットフォームに好かれないとダメだという、コントロールされる構造になってしまう」「ネットニュースで取り上げられない、取り上げてほしくないという人は、一般から存在を知られなくなる。新しい人を知る機会がニュースメディアだけだとしたら、そこに名前が載らない=死だ。僕や堀江さん、DaiGoさんみたいにこたつ記事が書かれる人だけが残っていく。尖った発言をする人は得をする」と考察した。
DaiGoは「AIに食わせるデータを悪い意味でも良い意味でも偏ったものにすると、個性的なものができる。その個性で選ぶ、それこそ恋人やパートナーを決めるようにAIを使う時代がくるのではないか」とした。(『ABEMA Prime』より)
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