超高速詠唱→ひとりキャッキャと笑う表情に、誰もが置いてけぼり状態となった。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」準決勝第一試合、関東A 対 中部が3月30日に放送された。チーム中部の豊島将之九段(33)が出場した第3局では、控室の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が読みの手順を高速で口にする様子が捉えられた。とてもついて行けぬ…と師匠も仲間もポカーンとする表情に、視聴者からは「はえーw」「早すぎて師匠困惑」の声が寄せられた。
【映像】これが『高速詠唱』!超楽しそうな藤井竜王・名人と困惑する杉本八段
藤井竜王・名人の「高速詠唱」といえば、感想戦や大盤解説会で見られる符号を超スピードで口にするファンの“大好物”とも言えるものだ。あまりの速さに、対局相手や解説者は置いてけぼり状態となるため、その様子には笑いが起きることも。この日の試合では、作戦会議室で「高速詠唱」が披露された。
チーム中部・豊島将之九段(33)のスタートダッシュにより2勝0敗で迎えた第3局。勝てば連投のルールから、本局は豊島九段と関東A・石井健太郎七段(31)の対戦となった。後手の石井七段の四間飛車に対し、豊島九段はミレニアム囲いで対抗。互いに譲れぬ一戦とあり、序盤から激しい戦いに。両軍の作戦会議室のメンバーはモニターに釘付け状態となっていた。
チーム中部の藤井竜王・名人もその一人。師匠で監督の杉本昌隆八段(55)の隣に座り、対局の様子に夢中となっていた。チームメイトの八代弥七段(30)が「金寄りを早めにやると…?」と問いかけると、藤井竜王・名人が即座に反応。「6八金、7九金寄りで9二香と上がってきて7七桂を跳ねずに銀冠にするみたいなことを…フフフフ」と口にしたが、超高速&大きな声ではなかったため、杉本八段、八代七段、服部慎一郎六段(24)は「??」とポカーン顔に。すると、『楽しくてたまらない』という表情の藤井竜王・名人は、再度「いや、なんか、8六、8七銀から7七桂を跳ねずに8八、9八香みたいなことを…フフフフ」と超早口で詠唱し、杉本八段がようやく追いついたとばかりに「銀冠穴熊ね」と声をかけた。
一瞬の出来事だったが藤井竜王・名人の貴重な“高速詠唱”とあり、ファンは困惑しつつも大興奮。「なんて?」「わかんねー」「呪文詠唱」「高速詠唱!」「呪文はえーよ」「??」「呪術師か」「ごめんわかんない」「はえーw」「なるほどわからんw」「早すぎて師匠困惑」「せ、せやな」「ぽかーん」とコメントが殺到していた。
石井七段用意の作戦だったが、終始落ち着いた指し回しを見せた豊島九段が相手の勢いを封印。着実な寄せから一手勝ちを収めた豊島九段は、「王様の堅さの活きた展開になった」と振り返っていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)