【WRC】第3戦 サファリ・ラリー・ケニア(3月28日~31日)
サファリ・ラリー・ケニアの大会3日目、注目の日本人ドライバー勝田貴元が、荒れた路面で時速170キロ超という異次元のスピードを見せてファンや関係者を熱狂させた。
今季からトヨタチームのワークスドライバーとなり、全戦参戦予定の勝田貴元は、過去にサファリで2度表彰台に登った経験があり、サバンナの大地を得意としている。信頼性の高いトヨタのGRヤリス・ラリー1・ハイブリッドに乗っていることもあり、初日デイ1を終えて6位、デイ2を終えた時点で3位と、徐々に総合順位を上げてきた。
迎えたデイ3は、多くのドライバーが環境に慣れてきて本領を発揮しやすくなるなか、オープニングステージのSS8で、勝田はベストタイムを記録。その後、SS10ではタイヤをパンクさせてタイムロスしたが、SS11でもベストタイムを記録するなど、好調さをキープ。
佳境を迎えたSS12、サバンナのなかをほぼ直線的に伸びるロングストレートが存在するステージで、勝田は時速170キロオーバーの超高速を記録! もともとレース出身ということもあり高速コースに強い勝田だが、サファリはコース上に砂や岩が散乱。凹凸も多く、マシンの車高が高くセッティングされている。つまり、安定感が低く、どこに吹っ飛ぶかわからない状態で、素晴らしいコントロールテクニックと類い稀なる度胸を披露した。
さらに、長いストレートエンドに設置されたヘアピンコーナーでは、慎重なブレーキと見事なドリフトで体勢を立て直して、また加速し始める。デイ3を総合2位で締めくくり最終的にそのまま今季初の2位表彰台にあがった勝田。その好調さを象徴する異次元の加速であった。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2024』/(C)WRC)