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【映像】50代の女性が17歳に変貌する瞬間
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 SNSなどで誰でも動画配信できる中、プロの映画制作集団によるハイクオリティな動画が、再生数300万回を超えるなど話題となっている。

【映像】50代の女性が17歳に変貌する瞬間

 体型を罵り合いマウンティングする女性たち、電車の席を譲ってもらえず人の上に無理やり座る男…。

 日常のモヤモヤする事象を、風刺的な目線で描いたコミカルな動画をSNSなどで配信しているのが「こねこフィルム」という映画制作会社だ。昨年6月から縦型ショートドラマの配信を始め、今まで世に出した動画は100本以上。再生数300万超えの人気動画もあるという。

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 「兄弟で映画を作っていて、僕は脚本を、兄が映画監督やっている。基本的には『鬼が笑う』という映画のスタッフ・出演者の方に出演してもらっている」

 こねこフィルムを立ち上げたのは、脚本家の三野和比古(みのかずひこ)さんと、映画監督の兄、三野龍一(りゅういち)さん。兄弟による映画制作チーム「MINO Bros.」(みのぶらざーず)が手掛けた映画「鬼が笑う」の出演者を起用し、映画クオリティのSNS向け動画を制作、配信している。

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 「もともと(こねこフィルムを)やり始めたきっかけは『役者さんってすごいんだぞ』とわかってもらうため。完璧なお芝居を見せることを、短いながら意識している」

 こう話すのは、和比古さんの兄、龍一さん。自身が尊敬する俳優の演技力を信頼し、あえて台本は作らないという。

 「(セリフは)全然決めずに『こういうことがやりたい』と役者さんに伝えるだけ。役者さんのすごいのは、引き出しの多さだと思っていて、その引き出しを貸してもらって、僕も自分の引き出しと合わせながら作っていく」

 事前のテストや打合せはなし。セリフや演技はすべて出演者たちのアドリブ。面白さの肝となるのは俳優の演技力で、特に反響が大きかったのが「執拗に年齢確認をお願いする店員と、怒鳴り散らす50代とおぼしき女性のやり取り」。店員の気迫に圧倒され、徐々に未成年のようなしぐさになる女性の演技が「急に少女に変わる表情が可愛すぎる」「ほぼ毎日見てるくらい中毒性がある演技力」「たった1分半の映像で女優さんのファンになりました」「女優さんの演技すごすぎる」と話題に。

 この女性を演じたのは、女優の赤間麻里子さん。演劇界の東大と言われる無名塾出身で、テレビドラマや舞台で活躍している。

 赤間さんは動画について「自分の年齢考えると痛いだろうなって、客観的な思いはあるが、やってる時は本当にその時の気持ちにというか、『高校生っぽく』みたいに思ってるので。それをちゃんと理解してもらってるのは嬉しい。作品がコメントで育てられてる部分はある」と振り返る。

 「年齢確認されるおばさん」というテーマだけを頼りに、共演した半田周平さんと共にアドリブで演技したそう。

 「『もうちょっと17歳っぽく』とか。『ちょっと19歳にいっちゃった』とか、そういう微妙なコントロールを(三野監督に)されながら、あそこに至った」(赤間さん)

 アドリブで演じること数回。ほとんどの動画が、3テイクほど撮影を重ねるだけで完成するという。「年齢確認」はYouTubeで70万回視聴される人気動画となり、第二弾も配信された。

 他にも、高校教師にマウントする女や、バーで年下男性を逆ナンパする女など、赤間さんは年齢も経歴もまったく違うさまざまな女性をアドリブで演じている。

 台本なしでの撮影という特殊な状況で演じることについては「相手からどんなリアクションが出るかもわからないし、どんな風に反応されるかもわからない。ずっと相手見てなきゃいけない。相手に集中することと、『私は今、これである』ということを腹の底に持つ。自分のキャラクターを最後まで絶対に手放さない。こんなに作ってる実感を味わえているのは初めてかもしれない」と話した。

 出演者や制作など、各々の役割にとらわれず、チーム全員で意見を出し合い、作り上げる醍醐味。これが「こねこフィルム」のショートドラマを、より魅力的にしているのかもしれない。

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 「こねこフィルム」の強さの秘訣について、赤間さんは「一人ひとりが映画畑の人であったり、舞台の人だったり、信頼できる作品作りをちゃんとできる人たちがそろったチームなので『そんじょそこらとは違うぞ』という自負もある。このチームみんながそれぞれいろんなジャンルで活躍していくのをみんなに見守って応援してもらいたい」と語った。

 「こねこフィルム」について、THE HEADLINE編集長の石田健氏は「ある種、客層をばっさり切る勇気を持って作ってるからこそ、面白いものが作れるのでは。例えばテレビドラマには起承転結が求められ、幅広い層に届けることや10話完結などの制約があるが『こねこフィルム』の作品にはそういった縛りがない。今後はこういった場所から世界的に評価されるクリエイティブの枠組みが出てくるかもしれない」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)

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