いま「趣味がない」人が増えているそうだ。趣味を持っていても「幸福度」「充実度」が高くないと思う人もいる一方、趣味を持つことで充実した人生を送っているという人もいる。
リサーチ会社の20~50代の男女を対象にしたアンケート調査によると、2014~2021年の7年間で「趣味がない」と答えた男性が約4倍以上に増え、女性も倍以上になったそうだ。また、「趣味を持っている人は『幸福感』『充実度』が高いと思うか」というアンケートでは、「高いと思う」と答えた人が減少した。(2014年:71.9%→2021年:62.5%※株式会社アスマーク調べ)
以前と比べて趣味を持つことへの価値観が薄れていて、幸福感や充実度にはつながらないと考える傾向が強まっているようだ。
一方、趣味を持つことで人生が充実した人もいる。公立中学校で教諭をしている「みつばち先生」。魚釣り、養蜂、家庭菜園など、約15個の趣味を持っていると話す。
「社会人となり学校教育に携わるなか、うまくいかないことも結構あった。友人から誘われて魚釣りに行ったとき、全くうまくいかなかった。その時になんで釣れないかを真剣に考える自分がいて、ふと気づいたら仕事のことを忘れていた。それがすごく気持ちよく、リフレッシュになった」(公立中学校教諭・みつばち先生、以下同)
その体験から、みつばち先生はなんでも挑戦しようという気持ちになり、趣味がどんどん増えていき、いまでは「趣味の見つけ方」をSNSや本で発信するまでに。そんなみつばち先生は、趣味を持ったことで良かったことについて次のように述べる。
「頭の中が全部仕事だけだったのが、仕事以外が入ってきて仕事の占めるウエイトが低くなったおかげで、ミスも乗り越えられるようになってきた」
さらに、生徒や保護者との関係性でも役に立ったという。
「不登校傾向、引きこもり傾向の子どもと一緒に魚釣りに出かけたり、一緒にパソコンショップを回ったり、子どもとつながることができる。最近では保護者との関係もすごく大変だと言われているが、いろいろな趣味があることによって良好な関係を築けたこともたくさんあるので、本当に様々な場面で有効」
「趣味」に関しては、さらに興味深いデータがある。シンクタンクなどの調査によると、ミドル・シニア(35~64歳)の約半数がスポーツやレジャー、ボランティアなど「趣味の学習」によって人間関係が広がったと答えている。仕事やキャリアとは無関係の趣味として継続して学習する「趣味の学習」は、「学ぶことが楽しい」などの心理的効果もあり、短期間で幸福を感じられるそうだ。(※パーソル総合研究所+産業能率大学 齋藤研究室「ミドル・シニアの学びと職業生活についての定量調査【PART2】」から)
みつばち先生は「趣味がない」という人たちに対してこう語る。
「好きなことがないことなんてない。それを趣味と認識していないだけ。今の世の中YouTubeやSNSを開けば様々な情報が発信されている。気になること、よく見ているものも果敢に飛び込んでいけばいいかなと思う。例えば、食べ物が好きな人は食べ歩きという趣味でもいいし、料理を作るでもいい。自分がしたいこと、やりたいこと、少しでもちょっと気になることがあれば、ぜひやってみてほしい。失敗しても誰も笑わないし、自分の時間とお金が少し損するかもしれないけれど、やってみないことには何も始まらないので、一歩踏み出す勇気かなと」
(『ABEMAヒルズ』より)
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