“軍師”の頭の中にはもう、ファイナルシリーズへの戦略が描かれている。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2023-24」セミファイナルシリーズ4月12日の第2試合はEX風林火山・勝又健志(連盟)がトップ。第1試合で二階堂亜樹(連盟)が勝利しており、チームは同日2勝。スコアは+182.6で順位はU-NEXT Piratesに迫る2位まで上昇した。
試合は起家から赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)、勝又、KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)の並びでスタート。勝又は東2局、鈴木優に7700点を放銃。その後も挽回の機会は遠く、南2局を迎えて1万5400点の3着目に沈んでいた。ここで勝又はドラ四万と發を対子にしたチャンス手。トップ目で親の鈴木優が東を鳴き、伊達からもリーチが入るが、勝又も發をポンして追いつく。誰もがアガりたいチャンス手、結果は鈴木優が赤5筒を切り勝又に軍配だ。發・赤・ドラ2で8000点のデバサイ(出場所最高)を決めた。ファンは「かっちゃん手順えぐすぎ」「かっちゃんナイスー」「軍師つええ〜」「かつまた!」と拍手喝采だ。
さらに南3局の親番ではリーチで攻め立てる勝又。リーチ・ツモ・タンヤオ・赤・裏ドラの1万2000点でトップ目に立った。南3局1本場は伊達に跳満をツモられ、南4局は伊達、勝又、鈴木優の三つ巴だ。勝又は9筒と中を仕掛けホンイツヘ、3900のテンパイに辿り着くと、アガリ牌の9筒がリーチの伊達から打たれロン。同日2勝が達成となるや、ファンからは「いいゲームだった」「デイリーダブルおめ」「勝又ナイス!」「よっしゃー!」と次々に歓声が上がった。
「配牌が良かった」といつも通り謙虚な試合後の勝又。道中の戦略については卓越した記憶力でスラスラと説明し、これにも視聴者は脱帽。短期決戦の勝ち方を知り尽くしている男はどんな場面でも焦らず冷静に、自分の組み立てた策略を全うした。「自分たちらしく集中して、ここからは4回に1回トップが取れるように精一杯頑張ります」とファイナルへの意気込みを語り、その表情は自信たっぷり。軍師・勝又の凄みが改めて知れ渡った好ゲームだった。
2020-21シーズンを優勝した際は、破竹の勢いでこの勝又がポストシーズンを勝ち続けた。この男が好調となれば、まだ今シーズン混戦が続くとはいえ、ライバルチームは苦しくなりそうだ。
【第2試合結果】
1着 EX風林火山・勝又健志(連盟)3万6200点/+56.2
2着 U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)2万9300点/+9.3
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗(連盟)2万8300点/▲11.7
4着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)6200点/▲53.8
【4月12日終了時点での成績】
1位 U-NEXT Pirates +369.0(6/20)
2位 EX風林火山 +182.6(6/20)
3位 渋谷ABEMAS +124.2(4/20)
4位 赤坂ドリブンズ +48.3(6/20)
5位 KADOKAWAサクラナイツ +18.8(4/20)
6位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +1.4(6/20)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)