26日朝、能登空港にやってきたのは、ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏。出迎えたのは、地元石川・丸井織物の宮本智行専務だ。ひろゆき氏は、同社が運営するオリジナルTシャツを販売するサービス「Up-T」のCMに出演。そのつながりで能登を訪れた。
「アベプラで現地の輪島塗の職人さんが『家が直らない』とか話しているのを見て、そこまでなの?と。さすがに4カ月も経っているから、普通になっているんじゃないのと思い込んでいたんですけど、どうやらそうじゃないらしいぞと」(ひろゆき氏)
まず訪れたのは輪島朝市。正月に焼き尽くされた市場は当時のまま。再建のメドすら立っていない。ここ以外の場所も放置された状態で、街並みはほとんど変わっていない。
平日の午後にも関わらず、道行く人もまばらな輪島市。地元のテレビ局・北陸朝日放送の菅井智絵アナウンサーは「倒壊した7階建てのビルもそのまま。今は火災現場のほうに入れるようになった変化はあるんですけども、街の方はほとんど見かけない」と話す。
「こういう倒れ方って見たことない。なんで国が直せないんですかね」(ひろゆき氏)
「公費解体がかなり遅い。実際には申請は相当数あるらしい。ただ、聞いた話ではスタートが11月、12月とか。今進んでいる解体が1日当たり数件、数十件だ」(宮本氏)
壊れた建物を自治体が所有者の代わりに撤去する「公費解体」の遅れ。これが、復旧復興が進まない理由の1つだという。
「東日本の震災の時、福島に行ったんですよ。やっているお店もあって、生活している人もいて。確かに倒壊している家はあるけど、普通にご飯も食えるし、経済も回っているから、街としては生きているなって。ここ街として完全に死んでません? 徐々に良くなっていくという感じが全くしない。見捨てられているというか、東京側からすると見捨てているんですよね」(ひろゆき氏)
「街は死んでいると思います。1つの街に対してここまで冷たい態度を国がとったのは、初めてじゃないかなと感じます」(宮本氏)
さらに、ボランティアの人たちからは、「県と国の道路は片付いているんですけど、輪島の市道はいっさい片付いていない」(古長谷鷹念さん)、「炊き出しの需要はあまりなく、どっちかというと地元にお金を落としてもらいたい。火事現場などを見に来るという観光ルートが、GWにはあるんじゃないかなと思う」(岩本良さん)と、進まない街の復旧、経済がストップしている現状が聞かれる。
次に訪れたのは輪島中学校。今も体育館は避難所になっているが、授業は再開。輪島中学校の生徒だけでなく、周りにある6つの小学校の子どもがここに通っている。
ひろゆき氏が教室に入ると、沸き立つ生徒たち。しかし、子どもたちには目には見えない傷があるという。
「地震のことに触れると、フラッシュバックとかが起こる子もいる。そこはデリケートなので、専門のカウンセラーたちが日常的に声掛けして、私のほうに報告がある」(福光明校長)
被災地を見て回り、たくさんの人から話を聞き、現状を知ったひろゆき氏。地震から4カ月を迎える能登の今をどう感じたのか。
「ここまで放っておくのはあまり見ないんですよね。起きたことは天災なんですけど、今の景色はもう人災だと思っている。この状況を何とかしたほうがいいと思っている人が少数派で、能登を見捨てるというのは日本の皆さんが望んだ結果。政府は何もしないということなのかなと思っています」(ひろゆき氏)
(『ABEMAPrime』より)
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