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【映像】「今の親は子育てできない」中卒社長・小澤辰也氏の見解
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 千葉県で、児童養護施設や里親制度の元で育った子どもの進学などを支援する奨学金制度が始まった。県民や企業から7000万円もの寄付が寄せられ、今年度、1人30万円の給付が実現する。

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 児童養護施設で育った子どもの大学進学率は約21%と、全体平均の57%に比べて大きく下回っている。これまでは原則18歳・最長22歳で施設を出なければならなかった年齢制限は撤廃されたが、社会に出た後、思うように生計を立てられない人は多い。

 退所後に生きづらさを感じる背景は。児童養護施設の実態に詳しい専門家らとともに『ABEMA Prime』で考えた。

■「現状は親の支援ありきで社会が設計されている」

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 現在、要保護児童は約4万2000人、養護施設610カ所に2万3008人が在所し、このうち約7割が虐待を受けた経験があるという(令和3年度末)。貧困経験を綴ったnoteが話題のライター・ヒオカ氏が取材した子のケースでは、虐待で中学生から施設に入った後、18歳で退所し大学へ進学。虐待のトラウマに悩み治療を望むも、休学すると奨学金を止められるためバイトをしながら無理に通学していることで、退学を考えてしまうという。

 これまでに「頼るハードルが高い」という声も聞いてきたそうだ。「やはり18歳で関係がプツッと途切れ、相談できないと。施設側も自立させることが前提にあるので、“今後も頼っていいよ”ではなく、“1人で生きていくんだよ”という方向になってしまう」。

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 また、進学時に職員が反対する場合もあるという。「大学に行っても卒業できず、バイトができなくなって頼る人がいないと詰んでしまうので、“高卒で働け”と指導されるのもよく聞く。進学率の低さはそういうところもあると思う」との見方を示した。

 ヒオカ氏は、「現状は親の支援ありきで社会が設計されているが、親の支援がない前提でも遜色なく生きられる社会にしなければ」と提言している。

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「貧困家庭と児童養護施設の子は似ていて、親を頼れないがゆえに“最低限”を選ばざるを得ない。(たとえ学費が無償化していても)部活のユニフォームや遠征費は親が出してくれないと子どもは諦めないといけない。そういう体験やチャレンジする機会、自分は何が得意なのだろう・何が好きなのだろうと知る機会はすごく少ないと思う。親の支援がなくても挑戦できるようにしていくことが、ハンデを負った子を救っていく道なのではないか」

■児童養護施設施設長「困った時に何でも相談できる存在を」

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 児童養護施設「二葉学園」統括施設長の武藤素明氏が話すのは、親の虐待により児童相談所が一時保護し、小学1年生で養護施設に入所、18歳で退所・就職した女性のケース。就職先での対人関係がうまくいかず孤立してしまったほか、精神的に不安定になったり感情のコントロールができなくなったりし、朝起きられず欠勤が続いたことから、武藤氏らが家庭訪問し、精神科への通院を勧めたという。うつと診断され、入退院を繰り返して退職し、今は生活保護を受給して暮らしているそうだ。

 二葉学園は調布市などに計8分園(グループホーム)を運営し、満2歳から18歳までの子どもを受け入れている(定員58人)。入所者の傾向として、「昔は非行に走る、いわゆるやんちゃな子どもたちが多かった。今はどちらかというと虐待を受けた子どもたちで、引きこもってしまったり、自分を出せなかったり、ゲームに夢中になって他の子と十分に関わる機会が持てないような子どもたちが多くなっているように思う」と述べる。

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 同施設では自立支援や心理ケア、退所後の相談支援も行っている。「本人が抱えている問題は、保育士や指導員だけでは対応できない。心理職の方たちを配置して、いろいろな療法を使いながら課題やトラウマなどを引き出していただき、どういうことが必要かなどの助言を受けながら対応するケースが多くなってきている」という。

 こども家庭庁の資料によると、退所後に欲しかった支援を聞いたアンケートであがったのは、車を買う・家を借りる時の保証人、緊急連絡先の登録先、退所後の職員との関係値継続、金銭管理のやり方などの講座・相談先、育児(自分が虐待しないか)の相談窓口など。武藤氏は「アフターケアとして徹底的に支援できるようなシステムを作らなければいけない」と訴えた。

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「4月1日から一応制度ができているが、支援が必要かどうかは各都道府県や児童相談所が決めるので、格差が出ないかを非常に心配している。いずれにしろ親を頼れる状況になく、自分で人生を切り拓いていかないといけない中で、困った時に何でも相談できる場所をもっと作っていくべきだ。私が50年間この仕事を辞めなかったのは、退所した子どもたちから“親父、親父”“相談に乗ってほしい”“ちょっとお金を貸してほしい”“夫婦の問題で悩んでいる”“子どもの問題で悩んでいる”とよく連絡が来るからだ。そういう存在がもっと社会にあると、子どもたちも生きやすくなると思う」

(『ABEMA Prime』より)

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