将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)に豊島将之九段(34)が挑戦する第82期名人戦七番勝負第3局が5月8・9の両日、東京都大田区の「羽田空港第1ターミナル」で指され、藤井名人が勝利した。快勝となった本局では、形勢判断ソフト「SHOGI AI」の勝率表示が美しい弧を描く“藤井曲線”に。ファンからは「ナイステイクオフ!」「羽田対局にふさわしい」などの声が上がっていた。
藤井名人が一部でささやかれていた“不調説”を吹き飛ばすような快勝を飾った。4月の新年度スタートから、名人戦七番勝負と同時並行して叡王戦五番勝負と2つの防衛戦に臨んでいる藤井名人。名人戦では好発進を遂げたものの、叡王戦は1勝2敗と同一シリーズにおいて自身初となる連敗を喫し、カド番に追い込まれている。そんな中で迎えた名人戦第3局。舞台には、史上初のタイトル戦開催となる「羽田空港第1ターミナル」が選ばれていた。
本局は後手・豊島九段の雁木の構えに対し、藤井名人が急戦を志向。飛車と銀との連携した棒銀戦法でリードを拡大した。「序盤から手が広い形になり、どういう展開になるのか一手一手考えながら進んでいました」と振り返ったが、着実にポイントを積み重ねて快勝を飾った。飛行機の駐機場に隣接しているとあり、藤井名人は対局中に窓の方向に視線を向ける様子も。終局後には、「対局室からも飛行機の離着陸の様子がよく見えて、そういった景色を眺めてリフレッシュすることも多かった。良い環境の中で対局することができたのかなと思っています」と語った。
対局を見守ったファンは、通常とは一風変わった対局場に加えてABEMAの「SHOGI AI」の動きにも注目。藤井名人が勝利する際、形勢判断ソフトの勝率表示の線がたびたび美しい弧を描くことから“藤井曲線”と表現されているが、この日は飛行機が飛び立つようになめらかな右肩上がりのラインを表示。視聴者からは「飛行機雲みたい」「羽田対局にふさわしい」「ナイステイクオフ!」と多数のコメントが寄せられていた。
この結果、3連勝で初防衛は目前と視界は良好。注目の第4局は、5月18・19日、大分県別府市の「割烹旅館もみや」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)