【写真・画像】自民と公明で異なる“カネ事情” 異例の単独提出の理由をジャーナリストが解説「自民党の収入源はパーティ券、公明党は機関紙の売り上げ」 1枚目
【映像】総理に一番近いのは?自民党の勢力図

 政治資金パーティー券の扱いをめぐり、自民党と公明党の間に距離ができる一方で、自民党内での岸田文雄総理の立場も、徐々に孤立している。

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 党内からは「岸田総裁で次の選挙は戦えない」「しかし、いま解散すると自民は負ける」といった声も出ているが、ジャーナリストの青山和弘氏は「岸田氏は続投しか頭にない。完全孤立の状態で、ウルトラCの最後の一手を仕掛けるかも」と予想する。

 たしかに岸田氏は、これまでも誰にも相談せず、周囲を驚かすことをやってきた。突如として、派閥・宏池会(岸田派)の解散を表明したり、呼ばれていない政治倫理審査会へ出席したりと、永田町を驚かせてきた。

 そして次の一手として、青山氏は「幹事長を茂木敏充氏から、石破茂氏へ交代させる」と解説する。茂木氏は岸田政権を支える“三頭政治”の一角だったが、「岸田氏と茂木氏は亀裂が決定的。岸田氏は『茂木氏が自分を追い落とそうとしている』と疑い、茂木氏は『岸田氏が信用できない』と周囲に語っている」という。

 今秋に迫る自民党総裁選を控え、党内では最近、“ポスト岸田”の動きが激しくなっている。麻生太郎副総裁が「カミムラ陽子は大したもんだ。新しい人がそこそこ育ちつつある」と推す上川陽子外務大臣や、菅義偉前総理が「いつかは総理になる人物」と評する小泉進次郎氏、岸田内閣の一員ながら勉強会を開き、総理総裁への意欲を隠さない高市早苗・経済安保担当大臣などの名前が上がっている。

 一方で石破氏は「次の総理にふさわしい人」アンケートで常にトップを争うが、国民的人気は高いものの、自民党内では不人気。青山氏によると、総裁選立候補に必要な推薦人20人を集められそうにない現状だという。

 そんな中、小泉純一郎元総理、山崎拓元副総裁、亀井静香元政調会長ら、自民重鎮OBたちが石破氏を会食に招いた。山崎氏は、小泉内閣で防衛庁長官(当時)を務めた石破氏に「次の総裁選に立つべしという話もあった」と述べた。また小泉氏は「進次郎は50歳まで総裁選に出さない」と発言したという。先輩の激励を受けてか、石破氏は先日、勉強会を開催し、密かに総裁選への準備を進めているとみられる。

 ではなぜ、岸田氏は、あえて石破氏を幹事長に登用するのか。青山氏は「支持率アップと、総裁選に出させないため」と2つの理由を語る。人気の高いライバルを身内に取り込むことで、自身の延命を図る作戦だという。

「岸田・茂木は亀裂が明らかだが、麻生・茂木はべったり。幹事長と協力しないと選挙はできないため、麻生氏とは敵対しているが、振り切って石破氏にする。石破氏は世論調査で圧倒的な人気を誇っていて、支持率アップが狙える。幹事長にすることで、総裁選のライバルも1人消せる」(ジャーナリスト・青山和弘氏)

 石破氏を起用すれば、岸田氏と麻生・茂木両氏のこれまでの関係は絶たれる。「そうなったときに麻生氏は誰を出すのか。茂木氏を推すか、“女性初”の上川氏や、麻生派の河野太郎デジタル大臣を出すのか。いろんなカードを持っている」。

 このほか総裁選には、若手議員の中からの擁立待望論もあり、候補者乱立が予想されるため、「岸田氏は自分が勝てるんじゃないかと、起死回生の一発を狙っている」ようだ。

「石破氏は非常に迷っている。重鎮たちには『いまは岸田氏を支える』と会合で言っていたが、ずっと“冷や飯”を食ってきたから、幹事長の声がかかるのは嬉しいはず。受ける可能性は十分あるが、『政策を飲んでくれるか』など条件を出してくるだろう」。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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