【写真・画像】「レガシーとして残したい」フランス人男性が沖縄の“うちなーぐち”を学ぶ理由 1枚目
【映像】コポスさんとパートナーの琉球舞踊家
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 「なんくるないさ」や「めんそ~れ」などの沖縄の方言。「うちなーぐち」と呼ばれるこの言葉を守りたいとの思いから、一人のフランス人男性が立ち上がった。

【映像】コポスさんとパートナーの琉球舞踊家

 「はいさい ぐすーよー ちゅーうがなびら わんねーダヴィッドやいびーん ゆたしくうにげーさびら」(どうもみなさんこんにちは、私はダヴィッドと申します。よろしくお願い致します)

 沖縄の言葉、「うちなーぐち」で流暢に話すこの男性。フランス人のコポス・ダヴィッドさんだ。

 2000年に国際交流員として沖縄に来て以来、24年間、沖縄で暮らしている。

 「当時私は学生で、日本語学と英語を専攻していて、3年生の時に日本で仕事ができるプログラムがあり、長野か北海道、寒い所行きたかった。だが最終的には沖縄に派遣されて国際交流員としては3年間、西原町の教育委員会で仕事をした」(コポスさん、以下同)

 日本語だけでなく、英語やスペイン語など、5カ国語を話せるというコポスさん。現在は米軍基地の子どもたちに日本語を教えたり、語学専門のYouTubeチャンネルを運営するほか、スポーツイベントのコーディネーションなど幅広い事業を手掛けている。

 そんなコポスさんが、新たに注目しているのが「うちなーぐち」。

 うちなーぐちとは、「はいさい(こんにちは)」や「めんそーれ(いらっしゃいませ)」など、沖縄で古くから話されてきた言葉のこと。

 コポスさんは、この「うちなーぐち」の保存、継承に取り組む「うちなーぐち会」に先月、入会した。沖縄の方言に興味を持ったきっかけは、地名に関するふとした疑問だ。

 「西原町は、東海岸なのになぜ『西』という字を使うのか?と思った。うちなーぐちを知るおじいさんに『(うちなーぐちでは)西は(今の)北のこと』と言われた」

 うちなーぐちの表現の面白さに惹かれ、沖縄の方言について調べるうちに、悲しい現状に気付いたと言う。

 「当時うちなーぐちを喋ると、方言に札かけられて、恥ずかしい思いさせられたという。それを知った時はすごく悲しくて、自分の(住んでいた)地域を連想して」

 地元でもあまり使われなくなってしまった、うちなーぐち。この状況が、コポスさんの出身地、フランス南部のボルドーで使われていたガスコーニュ語を想起させたそう。

 「フランス革命の後、それらの地域の言葉が、言葉としては認められなかった。当時はガスコーニュ語などの地域の言葉を話したら学校で『動物の言葉』と言われた。なので若い世代、当時の世代のフランス人たちはフランス語だけで、方言と呼ばれている言葉を話すのが恥ずかしかった。それが沖縄のシチュエーションとすごく似てると思って」

 ユネスコ(国連教育科学文化機構)のWorld’s Languages in Danger(2009年)によると、消滅の危機にある言語は 世界で約2500あり、日本では「極めて深刻」がアイヌ語。「重大な危機」が八重山語、与那国語。「危険」は八丈語、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語である。
(※ユネスコでは「言語」と「方言」を区別せず全て「言語」で統一)

 標準語の使用を求められた歴史から、失われつつあるガスコーニュ語とうちなーぐち。

 「文化を守り、海外にも伝えたい」という思いを胸に、コポスさんはパートナーの女性とともに、活動を続けている。

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 「沖縄で三線をやっていた時に、すごく思いを寄せた女の方がいて、うちなんちゅ(沖縄生まれの人)だった。今は2人でアメリカ人のコミュニティーに琉球舞踊とエイサーと獅子舞を教えたりしている。彼女と一緒にやっている授業も、できるだけうちなーぐちを使っている。踊りの動きの名前や歌の歌詞は必ずうちなーぐちで、子どもたちに教えている。失われつつある言葉をレガシーとして残したい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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