藤井聡太竜王・名人「ホッとしています」堂々の個人3連勝でチーム豊島を撃破“ドリームチーム”で予選突破へ好発進/将棋・ABEMAトーナメント2024
【映像】圧巻の指し回しを見せる藤井聡太竜王・名人

 “ドリームチーム”が難敵にやや苦しみながらも、まずは白星発進だ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」予選Cリーグ第1試合、チーム藤井 対 チーム豊島の模様が5月25日に放送された。チーム藤井は、リーダー藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が個人3連勝の堂々たる成績もあり、スコア5-3で勝利。予選突破に前進した。藤井竜王・名人は「一進一退の展開だったのでホッとしています」とニッコリ。一局でも多くチーム藤井を見たいファンにとっても一安心となった。

【映像】圧巻の指し回しを見せる藤井聡太竜王・名人

 チーム藤井は八冠保持者の藤井竜王・名人が、タイトル99期や永世七冠を達成した羽生善治九段(53)をドラフトで抽選の末に獲得したことで大盛り上がりに。2巡目に青嶋未来六段(29)を指名し、3人が共通の趣味であるチェスでつながる点も話題になった。実力・実績十分のドリームチーム。ただ初戦は、そう簡単に事は進まなかった。

 第1局は青嶋六段が大石直嗣七段(34)に終盤まで追い込まれながらも、ぎりぎりのところで逆転勝利。第2局は羽生九段が相手のリーダー豊島将之九段(34)と見応え十分のねじり合いを展開したが、114手で敗れた。1-1のタイで迎えた第3局、いよいよ藤井竜王・名人が登場すると、相手は独特な指し回しと早見え早指しが特徴的な糸谷哲郎八段(35)。相雁木の将棋になると、中盤から終盤にかけて、周囲も「気づいたら優勢に」と語るほど流れるような展開で勝勢に持ち込み、そのまま134手で快勝した。

 1つポイントをリードしたチーム藤井だったが、ここからが苦しかった。第4局は羽生九段が豊島九段、第5局は青嶋六段が大石七段と再戦したが、ともに敗戦。スコア2-3とひっくり返されてしまった。将棋ファン待望のドリームチームに、敗戦スタートという暗雲が見え始めたところ、これを振り払ったもの藤井竜王・名人だった。第6局、糸谷八段と再戦すると、角換わりから糸谷八段の珍しい形に戸惑うことなく、激しい攻め合いから抜け出して133手で勝利。特に終盤、大駒の捌きについては羽生九段からも「さすがとしか言いようがないですね」と絶賛の言葉が出た。

 スコアも3-3に戻ったことで、ようやくレジェンド羽生九段のエンジンも点火。第7局、豊島九段とこの日3局目の対戦になると、相掛かりの激しい将棋から終盤に切れ味鋭い妙手も見せて86手で快勝。チーム勝利に王手をかけた。最後を締めたのも、やはり藤井竜王・名人。大石七段との第8局に臨むと、横歩取りの序盤こそやや作戦負けの雰囲気こそあったが、中盤から終盤にかけて的確な受けで相手の攻撃を弱体化させると、攻めのターンになってからは華麗な寄せ。読みの深さが際立つ勝利で、チームを初戦勝利に導いた。

 控室で見ていた羽生九段、青嶋六段からも再三、指し手を称えられる場面も多かった藤井竜王・名人。試合後は「一進一退の展開だったんですが、なんとか勝利することができてホッとしています。全体としてはテンポよく指せました」と、安堵の表情を浮かべると、予選突破がかかる次戦、チーム天彦戦に向けても「のびのびと指していければと思います」と、シンプルに意気込みを述べた。

 昨年の大会でも予選は5戦5勝、本戦でも4勝1敗と、勝率9割を誇った藤井竜王・名人。偶然というより、むしろ必然のように結成されたドリームチームを最後までファンに見せるため、2戦目以降も勝ちまくる。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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